二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.604 )
- 日時: 2012/09/25 13:17
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
短編の続き(ハル視点)
ある1つの悩みを抱えていた・・・最近、何者かにつけられているような気がしたので相談しにくかった。
この悩みはバンに話して良いのかどうか分からないままだった。
今夜はここにいてくれるみたいだから、正直にハッキリ言って話した方が良いのか気になった。
「月島に何があったのか聞いても分かんないって言うし、急にどうしたんだ?」
バンは眠そうに上半身をゆっくり起こしながら、溜息をついた。
こんなところで溜息をついても困るんだけど・・・・・・っていうのが本音だ。
「な、何でもない・・・・・・っ! 風呂に入ってくるね」
「おい!」
バンが引き止めようとするのも構わず、洗面所に行った。
風呂場でシャワーをゆっくり浴びる。
(バンに何を言えば良いのよ!!)
バンは酔っ払ってるし、私の話を聞いてくれるのかどうかも分からない。
それでも優しい幼馴染がいるから、なぜか安心できるというのもあっただろう。
酒を飲むことを楽しみながら遊んでいるバンはヒロとつるんでいることが多く、仲が良いところを何度か目撃したことがあった。
「はぁ--------------------」
溜息をついた瞬間、バンに言うしかないのかもしれないと思った。
怒っているかな・・・・・・とか思いながら、風呂を出た。
パジャマに着替え、洗面所を出たのと同時に歩みだす。
部屋に戻った私を待っていてくれたのか、バンは眠そうにLBXマガジンを持ったまま読んでいた。
「お帰り、シャワー終わったのか?」
パタンとLBXマガジンを閉じ、眠そうな目で私を捉えた。
何か言いたそうな予感がしそうでならなかった。
「うん・・・・・・」
「なんだよ、元気ないじゃん。何かあったんなら、俺に話せば良いじゃないか」
バンはベッドに横たわったまま、私の頭を優しく撫でた。
幼馴染の気遣いは思ったより嬉しかったので、バンに言うか悩んだ。
酔っ払ってるけど、それでも優しくしてくれるから大好きだった。
「ねえ、バン・・・・・・私の話を聞いてほしいの」
「そう言うと思ってた。その様子だと何かあったんだろ?」
バンはやっと話してくれる気になったのか、私を見て喜んだ。
とりあえず、勇気を出して話してみるしかない。
「実は----------------------」
ポツリポツリとバンに向かって話し始める。
事の発端は数日前に遡る・・・・・・私は部活が休みだったこともあり、本屋で本を読んでいた。
その時、本屋の外から何か騒がしいことに気付いた。
「--------------あれ?」
見覚えのある女性を見て驚く。
中学時代の同級生だった板谷冬実ちゃんが男の人に絡まれていた。
それを止めようとした瞬間、私は不意を突かれて男の仲間に捕まった。
「何すんの!」
離してって言おうとした瞬間、そいつがナイフを突き出した。
すると、意外なことを言い出す。
「おまえ、山野バンとは知り合いか?」
「そうだけど、何か用?」
「そいつと関わるんじゃねぇ! 関わったら殺す!!」
その一言が私を悩ませるきっかけになってしまう。
そいつら、バンのことが気に入らないみたいで何も言えない。
「言ったら承知しねぇぞ!!」
その言葉を聞いたその時、本屋の店長らしき人が出てきた。
店長らしき人は冷静に取り繕って話しかける。
「女の人たちに手を出したら承知しないよ!!」
「ぐっ・・・・・・邪魔が入ったか、ズラかるぞ!!」
そいつらは私たちを離した後、すぐに逃げ去った。
しかし、その2日後の夜に異変が起きようとしていた。
「はぁ・・・・・」
空手部を終えて、帰り道を歩いていた。
その時、背後から何かが迫ってきていることに気付く。
「---------------え?」
後ろを振り返ると・・・・・・こないだ、本屋で会った男だった。
私の後を追いかけて来るとは想像していなかったので、ひたすら逃げ切りながら走り続けた。
「ハァハァ・・・・・・」
バンに言えないよ・・・・・・・どうしようもない。
お母さんにも心配かけられたが、何を話したら良いのか分からなくなっていたのだ。
そして、現在に至る・・・・・・最後まで話を聞いてくれたバンは腕を組みながら考え込んだ。
「そいつら、俺のことが気に入らないって言ったのか?」
「うん・・・・・・」
激しく落ち込んだ私を見て、バンはそっと抱きしめた。
悩みを言えずに居た私を気遣って、不安と緊張を和らいであげたいと思っていたのだろう。
「怖かったろう・・・・・・ハルのことは俺が守るから大丈夫だぞ」
「-----------っ、バン!」
うわ-------------んと泣き出す私を見て驚いたのか、バンは苦笑しながら抱きしめてくれた。
誰よりも悩みを言えないでいた私のことを心配してくれた。
「ハル、泣くなよ・・・・・・俺が絶対に守ってやるからさ」
「ひっく、えっぐ・・・・・・怖いよ、バン!!」
ストーカーに付きまとわれている私のことを心配してくれる。
そういうところが好きだったし、すぐに話を聞いてくれたから安心した。
「明日は部活あるのか?」
「うん・・・・・・」
「そうか、終わったら迎えに行こうか?」
バンが迎えに来てくれるなら嬉しいけど・・・・・・まぁ、飲み会がなければ大丈夫みたいだしね。
「ヒロも一緒に来てもらうけど、良いよな?」
「えっ、ヒロも!?」
「うん、ボクシングやってるから大丈夫だよ」
そうか、ヒロはコウに誘われてボクシング部に入ったんだっけ。
ヒロも一緒にいれば大丈夫な気がしてきた。
「うん、ヒロにも伝えといて!!」
「OKだよ。じゃあ、そろそろ寝ようか」
ベッドにダイブした後、深い眠りに引きずり込まれていった。
バンの温かみを感じながら、意識が遠のいていく---------------