二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.835 )
日時: 2012/10/02 12:09
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

あ、本編はもう少しお待ちください。
あと1つ描きたいものができちゃったので、短編を描かせていただきます!!

短編1:バンナオ(ナオ:直太)編
タイトル:蘇る恐怖によるトラウマとは?(直太視点)

真っ暗闇の中を彷徨う分身・・・・・・直太という少年。
その暗闇を歩きながら彷徨う場所は不気味で恐怖を感じさせる。
暗いところを歩き続ける少年は怯えながら見つめるしかなかった。

「うぅ・・・・・・」

ビクビク怯えながら歩き続ける姿。
それを感じさせないかのように、背後から何かが迫ろうとしている。

「だ、誰・・・・・・?」

その手がスウッと直太の手を握り、逃げ出さないように確保しようとする。
握られた手の強さがあまりにも強烈だったため、反抗しようと思っても抜け出すことすらできない。

「痛い、やめてよ!!」

誰かが自分を殴りつけようとしているような感じがする。
そんなことは構わずに追いかけ続ける悪魔の手。

「うわぁぁぁぁ------------------------!!」

あまりの怖さに怯えて逃げ出していった。
いきなり、目の前が真っ暗になった。




意識が戻ると、ぼんやりとした視界に天井が映った。
隣で寝ている長兄のバンの腕の中にいることに気付いた。

(なんだ、夢か・・・・・・)

目の前に映ったのは、穏やかな寝息を立てているバンの寝顔。
そんな兄を見ていて、なぜか不安が和らいでいったのを思い出す。
何だろう、トラウマが蘇ってきそうでならなかった。

「兄ちゃん・・・・・・」

兄の存在が心強かったこともあり、悩みがある時とかは話を聞いてくれる。
そんな兄の存在が心の支えになっていた・・・・・・僕らが虐待を受けたことは警察から聞いて知ったという。
それでも、自分のことを誰よりも大切にしてくれた。

(眠れない・・・・・・)

バンの腕から離れて、ベッドから降りる。
何か悪夢を見てしまったせいで恐怖に囚われてしまっているのだろう。
ベッドの前で佇みながら座り込んだ瞬間、なぜか泣きそうになるのを堪えた。

「うっ・・・・・・」

よみがえる辛い過去の記憶・・・・・・あまりにも壮絶なものだった。
里親に虐待され続けてきた僕と健太は孤独であることの辛さを感じていた。
それでも、救いの手を差し伸べてくれたのは・・・・・・長兄の山野バンだった。
バンと接していくことで、少しずつ心の傷が癒えていった。

(魘されたのは何年ぶりだろう・・・・・・)

あまりにも怖すぎて眠れないくらいだった。
兄の寝息を聞きながら、何度も眠れないことを自覚していたのだろう。
その時に見た夢があまりにも嫌な感じだったので、小学生がよく見る悪夢ではないのか。

「------------直太?」

ベッドの方から眠そうな声が聞こえた。
振り返ると、兄の山野バンが欠伸をしながら起きたところだった。

「ごめん・・・・・・起こしちゃったかな?」
「いや、そんなことないさ。俺は別に大丈夫だからな」

ふわぁーと欠伸しながら、寝返りを打つ。
僕の方に向けて、眠そうな目で見つめる兄の眼差し。
仰向けに横たわったまま、ベットの前に座り込んでいる僕の頭を撫でた。

「直太、怖い夢でも見たのか?」
「うん・・・・・・」

撫でられる感触に心地良いのか、兄の方に振り向いた。
この際、夢を見てしまうことが嫌だったんだと思いながら気付いた。
バンは眠そうに上半身を起こし、無言で僕の隣に座り込んだ。