二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】-プリンスのDNA ( No.53 )
日時: 2012/07/23 12:34
名前: 優騎那 (ID: 9RKOH.vJ)

合宿所—雷門中のことだが—のグラウンドに日本代表選手たちが集結していた。

「いよいよ始まるんですね!!世界への挑戦が!!」
「ええ」

ベンチから選手たちを見ていた秋と春奈が言った。

「あれ?虎丸君は?」
「虎丸君…そういえば、まだですね」

とそこへ、もうダッシュで虎丸が駆けてきた。

「円堂さん!!」
「虎丸!!おはよう!!」
「おは…おはようございます……」

家から通っている虎丸は相当もうダッシュできたらしく、ぜぇぜぇと息が荒い。

「す、すみません。信号という信号が、みんな赤信号で……」
「だからそんなに無理して家から通わなくても、ここに泊まればいいのに」
「ここのごはんすごく美味しいんすよ」

緑川と壁山にそう言われ、虎丸は困ったような恥ずかしいようなあいまいな顔をした。

「でもおれ、自分の部屋でないと眠れないもので…」
「そうなのか?」
「あ、はい///」

虎丸は恥じらいに顔を真っ赤にした。

「大方、ママに子守唄でも歌ってもらってんじゃねェのか?」

不動の嫌味な発言により、雰囲気がぶち壊しになった。

「母上に怒られたときにわたくしに泣きついてきたあなた様が言えることですか?」
「てめぇな!!」
「(不動がオリビアに泣きついた!?ありえねェ!!)」
「(やべぇよ!!想像しただけで笑える!!)」

公衆の面前で恥辱を味わった不動に選手たちは笑いをこらえるのに必死だった。
もっとも、オリビアが真顔でそんなことを言っているのがそれに拍車をかけていた。

「その上、わあわあ泣いた後、突然眠いと言いだしてわたくしに子守唄を歌わせて……」
「黙れ!!」

不動が怒鳴ろうとも、それでもオリビアのマシンガントークという名の赤裸々大暴露は止まらない。

「いつかは下らぬ喧嘩の尻拭いをさせられ、」
「もうやめろ!!」
「どこで育て方を間違えたのやら、あなた様は嫌味な男に育ってしまった……」
「遠い目をすんな!!」
「あなた様にはほとほと、手を焼きました」
「「「「「あっははははは!!!」」」」」」

完熟トマトのように真っ赤な顔をした不動にオリビアは致命的な一言を浴びせた。
グラウンドに寝っころがり、腹を抱えてゲラゲラ笑いだした。
幼馴染みだからこそ知りえる不動の黒歴史を、みんなで盛大に笑い飛ばしてやった。