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私達がシンタローさんの方を向けば、シンタローさんを看ていたカノさんが、こちらに気づき、やけに深刻そうな顔でいう。



「残念だけど………」



あ、嘘だ。

しかし、そんな事モモちゃんには分かるワケもなく、モモちゃんは兄の身に何かあったのかとゴクリと唾を飲み込んだ。



「——残念だけど、この人ただ倒れてそのまま緊張やら何やらのせいで意識失ったみたいだよ？たんこぶ１つないみたい。」



タイミング良く……いや、悪く？シンタローさんが「出来心だったんですぅ……」なんて情けない声でうわごとを呟いていた。

…………せっかくさっきちょっとカッコ良かったのに！！