ーーーしばらくして階段にたどり着いたところで、カノさんが盛大にため息をついた。「僕……ほんとにイチハラちゃんを担いだまま降りるの?」「す……すみません……」「ユリちゃんは何も悪くないよ!元はと言えばうちの兄が……ほんとすみません。」「え……何で俺?」「少しゆっくり行きましょ——」「本当にいたんだって!桃ちゃんだよ!本人だよ絶対!!」モモちゃんがゆっくり行く事を提案しようとした時。人質だった人達のそんな声が聞こえた。