ああ、もう手遅れだ。いつも私は、気づくのが遅い。“あの時”だって。あんな事言えばどうなるかなんて。少し考えれば分かったでしょう?………失われた私達の関係は、もう戻って来ない。でも本当は、取り戻したいよ……ママ、パパ———私は目尻に浮かんだ涙をグイッと拭う。私は、シンタローさんに携帯を返した。そうすれば、少しの隙が出来れば、大丈夫だと判断したから。「………シンタローさん、スミマセン……。」私の謝罪に首を傾げるシンタローさん。