二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.437 )
- 日時: 2012/11/08 17:06
- 名前: このみ (ID: ftamISp/)
色が奪われた。
そんな感じ。
白黒の世界は、
とても退屈で。
あの頃に戻りたいと、
何度でも願うの。
でも貴方たちは、
そんな私を置いて、
先にいくんでしょう?
第35Q 「進学校」
なんて詩を書いてみた。
本当に、退屈だったから。
紫原くんと別れてから、既に半年以上が経っている。
体育祭、学校祭、お祭り。春、夏、秋。
何も、なかった。
去年はあんなにも充実していたと言うのに。
あったとすれば、テツ君がバスケ部を辞めたこと。
彼も、耐えられなかったようだ。
すみませんと泣きそうな顔で謝る姿が、目に焼き付いている。
それだけ。 何も。ない。
いっそのこと、いじめでもおこってほしい。
そんな風に思ってしまうほど、退屈で。
なにかが、抜けた。消えた。そんな感覚。
でも、そんな生活を送っていても、受験というものはやってくる。
私はバスケ部が強いところに行こうと思っていた。
それでないと、選手ではない私には、みんなを変えることはできないから。
だけど。その私に、推薦が。
高校の名前は。
桐皇学園。
天パのイケメンで、監督と思われる若いおにーさんが、話をしにきたのだ。
なぜ私を、と訪ねたとき彼は、
「あなたはマネージャーとしての才能が溢れている。
ドリンクやタオルの準備、掃除、選手のケア。全てが細かく素早い。
そして、お姉さんに埋もれて見えなくなってしまっていますが、情報収集能力も大 したものです。
貴方を他の学校へ行かせてしまうのは勿体無い。
私は貴方のようなマネージャーが欲しい」
なんでそこまで知ってるんだ。と思ったが、彼は部活見学に来ていたようだ。気づ かんかった。
まあそんなに褒められて悪い気はしない。
それに、桐皇学園は、最近力をつけてきているという噂を耳にした。
ここでも、いいか。 頭もいいし。
私はそれを受けることにした。 ただし、条件付きで。
『分かりました。
ですが、条件があります』
「なんでしょう?」
『私はマネージャーとして、雑用をなんでもこなします。
言われれば情報収集だってします。
でも、その全ての雑用が終わり次第、私を帰宅させてください』
「……理由を聞いても?」
『時間が欲しいのです。
終わるのは大体5時半くらいになるでしょう。そのあとの部活は出ないで、他の学校に行きたいんです』
「何故他の学校に?というかそんな短時間ではうちの雑用をこなすことは……」
『できます。
他の学校へいく理由は、友達に会うためです』
「……分かりました。それを受け入れないと、あなたはうちには来ないんでしょう?」
『察しが良くて助かりますわ』
「それにしても、ビデオとは全く喋り方が違うんですね」
『なんかもう言いたいことは早くいっちゃった方がいいと思うようになりまして』
「そうですか」
彼は微かに笑うと、それではよろしくお願いします、と言って、去っていった。
そんなわけで、私の進学校は桐皇学園となった。
あとから聞いたのだが、さつきちゃんや青峰くんも桐皇学園らしい。
やってくれたな天パ野郎、と思ったのは言うまでもない。
(桐皇学園が負けるのを待つしかない、)
(ってことになるわね)