二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル〜流るる水は未来へ〜 ( No.14 )
日時: 2012/07/29 21:44
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

№3 バルカン殲滅

突然ルーシィの前に降り立った影は、全身黒ずくめだった。
体つきから、少女という事が窺える。その少女は立ち尽くすだけで、
その場を動かない。

「ちょ、貴方逃げてッ!!」
「………私が逃げたら死ぬぞ?」

鈴の鳴る様な…いや、川のせせらぎの様な、と表現した方がいい
高い声が、ルーシィの忠告を撥ねつけた。
迫りくる炎に再び向き直ると、両手を前に突き出し上下に挙げた。

「水竜の、牙ッ!!」

広げた腕を、肉食獣の牙のように重ね合わせる。同時に、バルカンの
周りに発生した2つの大津波が、牙のようにバルカンを挟み込んだ。

「何だこれは…」
「水竜…滅竜魔道士!?」

ズドォォォォンッ!!!

ものすごい音を立ててバルカンが倒れ、波の威力で地割れが生じた。

「まずい!皆、逃げろッ森まで走れ!!」
「おいおいマジかよ!!?」

地割れが広がり、地面が大穴となって全員をのみ込もうとしていた。
逃げにくい位置にいたルーシィとグレイを、エクシードの2匹が
空へ運び、他の者は走る。

「きゃァッ!!」

すてーん、という効果音とともに、ウェンディが転んでしまった。
ナツが助けようとするが、いくら彼でも間に合わない。

「ウェンディィィィ!!」

叫ぶナツの横を、黒い何かがすり抜けていった。