二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 終焉の奏で唄* [D.Gray-man/黒子] ( No.3 )
日時: 2012/07/24 12:51
名前: あんず (ID: ma7hGrp5)




#00.プロローグ




…ーー気がついたら別世界でした!
なんて非現実的なことがありえるなんて思いもしなかった。


道行く人にじろじろと見られた。
だけど周囲をよく見るとみんなの格好は私とはまるで違って。
なんだか一昔前に来た気分だった。
不思議に思った私は適当に自分と同じくらいの年頃の女の子に訪ねる。


『あの、すみません』

「はい?」

『今って何世紀ですか?』


自分でも馬鹿みたいな質問をしていると思った。
だけど確認せずにはいられなかったのだ。



「えっとー…19世紀ですね」

『………え!?』



19世紀って…
あれ、私21世紀の人ですけど…?


そして確信した。
"あいつ"が、私を本当に異世界に飛ばしたんだと。







突然奇妙な形をした大きくて丸い物体は襲ってくるわ、
『あなたいつの人?』と聴きたくなるような
格好をした美人さんが助けてくれるわ…

私は状況を把握することで手一杯だった。
だから、その美人さんが問いかけていることに気づきませんでした。



「テメェ、…聞いてんのか!!」

『ひい!あ、飴あげるから許してください!!』

「んなもんいらねェ!つか、お前イノセンス持ってるんだろ!!さっさと出せ!」
『イノセンス…?』



なんですかそれは。新発売のお菓子か何かですか。
ていうかこの美人さん、男の人でした。なんかショック。
なんのことやらと首を傾げると、
その美人さんが刀を抜き、刃先を私に向けてきた。
おおおおおい!ちょ、待てって!



「ちょっと神田!何やってるの!」

「リナ……………チッ」



それを叱咤する声が聞こえ、その方向を目だけ動かして見ると
これまた美人さんがいて。ツインテールにひらひらと揺れるスカート。
間違いない、女の子だ!
今すぐにでもその子にすがりたくなったが、
目の前の神田という男が思いっきり舌打ちをしてきた。
おお、怖い怖い。



「あなた怪我はない?大丈夫?神田に変なことされてない?」

『は、はい…』

「変なことってなんだよ!何もしてねェよ」



不安げに質問攻めしてくる彼女に大丈夫であることを伝えると、
ホッと安堵の息を吐かれた。…え、何。この神田って人、危ないの?
チラリと横目でみるとまた舌打ちされた。
うう…この人には叶いそうにないや。

すると、ツインテールの女の子が私の首もとを凝視してきた。
続いて神田も。



『あ、あの…?』

「…やっぱりそうよね、神田」

「あぁ、間違いねェな」



一人ついていけてない私はただただ瞬きをするだけで。
それを察してか女の子が優しく、だけどどこか悲しそうに言った。




「…あなた、名前は?」

『凪宮芽依です』

「ご家族の人とかいるかしら?」

『えっ……』




なんでそんなこと…。

いや、今はその質問はどうでもいい。
それよりここに、この世界に、家族がいないことを伝えなきゃ。



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まだ続きます!
原作沿いからと書きましたが、
少しだけ過去を書かせていただきます!

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