二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 転生ばっかですが文句ある!? [D灰] ( No.3 )
- 日時: 2012/09/30 21:19
- 名前: 魔堂 (ID: 7kf.zKti)
相変わらずの放置魔でまじさっせん☆←
じゃなくてすいません。
[転生編 02.西洋剣]
「おやレオ、おはよう」
「あ、花屋のおねーさん!! おはよっス!!」
「まぁ、おねーさんだなんて」
ぱっと見て40〜50代の愛想のいい花屋のおばちゃんは嬉しそうに笑っている。
1度おばちゃんと間違って呼んだことがある。その日丁度花屋に花を買いに行けば完全スルーされた。だからレオは学んだ。
(絶対おばちゃんと呼んではいけない……!! 世の理だ……!!)
ほいっと新聞を配り世間話を少しだけ交わす。
これでもこちら側の世界でレオは人気者である。妹のルナと共に街のアイドルだ。
新聞配達も終了し、レオは息を吐いた。
「終わった……。よし、とっとと帰るかー」
癖か何なのか、首をボキボキいわせながらレオは帰路につく。
天気は快晴。暑くもなく寒くもない季節であり、早朝から街は人でうめつくされている。そしてここは本当に平和である。
転生者のレオだが、ここまで穏やかな街に生まれたのは初めてだった。
「……ん?」
人混みをかきわけながら歩いていた時、ふとレオの目に猫が映る。
段ボールの中に丁寧に入っている猫はまだ小さかった。真っ白な猫で、レオを見ると可愛らしい鳴き声で鳴いた。
「可哀想に……。おいで?」
チチチッと鳴いて呼んでやれば素直にレオに寄ってくる子猫。
なついたのだろうか。体をすりすりと擦りつけてきた。動物好きなレオは完全に惚れた。
「よしっ、連れて帰る!! って……あれ?」
段ボールの陰に隠れていて見えなかったが——剣もそこに捨ててあった。
鞘は少々錆びていて、柄も綺麗とは言えない状況だ。剣はどうなのか分からないが、どうやら西洋剣の様である。
柄は漆黒。問題は剣だ。綺麗なのか、なんてレオは思った。
「さ、触っても……大丈夫だよな? な、タマ?」
「ミー」
外国で拾ったのだが日本風な名前をつけられてしまった子猫は元気に返事した。
タマ(自称)にも返事をしてもらえたので、レオはそろそろと柄に手をかける。その瞬間、何故か手が熱くなった。
少し不思議に思いながらも、柄をゆっくりとひく。
「うっ…わ……!! すげぇ……!!」
日の光を帯びて剣先まで光る——錆びのない銀。
切れ味良さそうだ、なんてレオは思った。だがこれは他人の物である。すぐに鞘の中におさめると、剣をその場に置いた。
「さて、まじで帰るかタマ! ルナと父さんにも紹介しないとな!!」
それでも、何故かレオの頭から剣のイメージが離れなかった。