二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) ( No.3 )
- 日時: 2012/07/26 21:56
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: ChGJKnnB)
桜舞う中、少年と少女は歩いていた。
「今日から、高校生だ。またバスケ、頑張ろうか!」
@第1Q.元帝光中学バスケ部です
今日は私立誠凛高等学校の入学式だ。
校門を通れば、早速部活勧誘がはじまっていた。
「ラグビー興味ない?」
「日本人なら野球でしょ!!」
「バスケー!バスケ部ー!!バスケ部はいかがですかー!」
あちこちで勧誘が飛び交う中、のんびり歩く少年と少女がいた。
そんな時、少年に野球部から勧誘がかかる。
「きみきみ!!野球部どうかな?!」
「あ、いえ……野球は、ちょっと……」
「えー?日本人なら野球だよー!」
(え、日本人なら野球なのか?!書道とかじゃないのか?!)
少年は必死で断ってなおも進んで行く。
どうやら目的はただ1つの様である。少年の隣に居る少女が笑いながら言った。
「麗也…っ、麗也が野球してるの想像したら…っ、つ、つぼった…!!」
「あ、あのなぁ、由梨!!」
麗也は少し慌てながら言い返す。けらけらと由梨は笑い続ける。
そんな時、ふと麗也の足が止まった。視線の先には空色の髪の少年。
「おはよう、黒子」
「あ、黒沼くん、白川さん。おはようございます」
「テっちゃん!おっはよ〜!!」
黒子はぺこぺことお辞儀をする。麗也も笑って返した。
ふと近くのボードを見れば、目的の“バスケットボール部”の名があった。
「黒子、もちろんバスケ部だよな」
「当然です。黒沼くんは…、バスケ部ですよね。白川さんは?」
「私はマネかな!!いやぁ〜、麗也は目を離しちゃだめだから!」
「おいっ!」
明るい会話をしながら3人はバスケ部の入部届けをする為に進む。
しばらく歩けばバスケ部の入部受け付けをしているところがあった。
「あ…っと、すいません、入部希望です!」
「はいはーい、えーっと、そこに座ってー」
麗也は由梨を待たせると椅子に座り入部届けを書き始めた。
(名前は黒沼麗也…、1年B組…、備考……は、帝光中学バスケットボール部…でいいのか?)
ひとまず入部届けを書き終え、マネージャーと思われる女子に渡す。
その女子は入部届けに目を通しはじめ…た瞬間、硬直した。
「て、ててててて帝光?!しかも貴方…く、くろっ、黒沼くん?!」
「え、あ、はい。そうです……けど」
「聞いた事あるわ!!試合に出るのは訳ありで少なかったけど…実力は確かなキセキの世代の“隠された7人目”!!」
興奮しだしたそのマネらしき女子を横目に麗也は由梨と場所を変わった。
由梨も元帝光中学バスケ部マネである事を知ると、さらに興奮しだした。
「や、ヤバいわね、今年…!!さっきのアメリカ帰りの子と言い…この2人と言い……。ってこれは…、この子も帝光?!いつのまに?!」
(あれ……、黒子いつのまに入部届け出したんだろう…)
内心不思議に思いながら麗也と由梨はその場を離れた。
のんびりと歩きながら2人は会話をする。
「あのマネさん、凄く興奮してたねー」
「そだな。て言うか、監督はどんな人なんだろうな?」
「あ、確かに。何処にもいなかったよね?」
そんな会話をしながら、2人はのんびり教室へ向かった。
——帝光中学校、バスケットボール部。
部員数は100を超え、全中3連覇を誇る超強豪校。
その輝かしい歴史の中でも、特に最強と呼ばれ、無敗を誇った10年に1人の天才が5人同時にいた世代は“キセキの世代”と呼ばれている。
が、キセキの世代には奇妙な噂があった。
誰も知らない、試合記録もない…にもかかわらず、天才5人が一目置いていた選手がもう1人——幻の6人目がいた、と。
そして、天才はもう1人いたのだった。
試合に出る時間は少しだけに関わらず、コートに立てば次々と点を入れた天才がいたのだ。
実力は確かであり、誰もが一目置いていた選手であった。
そしてその天才はなかなか試合に出てこない為、——“隠された7人目”と呼ばれていた。——