二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照500突破激感謝!! ( No.18 )
日時: 2012/08/09 15:39
名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: 7wCnRs4p)


 
 +++ 

 参照500突破。本っ当にありがとうございます(´・ω・`)
 更新速度はなんとか保てておりますが、gdgd文章は直せずですいません。
 それでも読んでくださる方々には本当に感謝します。
 体調も完全に治ったところで、今日は2話くらい投稿できればいいなーなんて(^ω^)

 これからもよろしくお願いします。

 +++


 『無茶しすぎっす』
 『してない』
 『してるからそんな辛いんでしょーが!! ほどほどって言われてるのに無茶するからっスよ!!』
 『お前らは親子かってんだ』
 『うーるさーいぞー、青峰ー』

 
 @第11Q.迷惑かけっぱなしだ 


 麗也の呼吸もなんとかおさまり、黄瀬は安堵した表情を見せた。


 「……もう大丈夫。ほんとごめん……涼……」
 「何言ってるんスか。黒沼っちは俺の大事な友達であり、仲間っすよ。気にすることないって!!」
 「……ごめんな」


 麗也は弱々しく微笑んで、何度も謝った。
 黄瀬はそんな麗也に何度も何度も安心させられる様な言葉をかけ続けた。


 (ほんと、昔っからの癖っすよね。迷惑掛けたらずっと謝り続ける。全然迷惑じゃないのに)


 変わらない麗也を見て、黄瀬は少し嬉しそうに笑った。


 「おかしいとは思ってたんスよ。あの最後のシュート、沼っちなら決められてた筈っすから」
 「…………」
 「わざわざ火神にパスするなんて、……ほんと、びっくりしたっすよ」
 「それも俺の戦法だよ。仲間と協力。どう??」
 「“どう??”って何すか、どう??って。何を答えればいいんスか」


 黄瀬は笑いながら言う。少し立ち直ったようにも見える。
 黄瀬の目はまだ少しはれているが、ましにはなった。麗也も安心して微笑んだ。


 「……沼っち」
 「……ん?」
 「あの監督さんが、沼っちの体の事を知っててフルで使うとは思えないんスよ」
 「————」


 静かな風がふく。黄瀬は空を見上げたまま続けた。


 「もしかしてですけど。沼っち、体の事……」
 「…………言ってないよ。知ってるのは、黒子と由梨だけだ」
 「——っ!! 何でっすか?! 辛いのは沼っちなのに……なんで言わないんスか?!」


 凄い迫力で黄瀬は麗也の胸倉をつかみ、叫んだ。
 ただ、心配してくれているのだ。必死に。麗也の体の事を、ただ心配してくれているだけなのだ。
 それをわかっている麗也は余計に苦しくて、小さく微笑んだ。


 「……ごめんな、涼」
 「……っ!! ……こっちこそ、胸倉つかんだりして……すんません」


 黄瀬は麗也の胸倉から手を離す。
 沈黙が訪れる。麗也は心地よい風に目を細めて、ゆっくりと口を開いた。


 「中学の時……俺ほんと、心配と迷惑かけっぱなしだった」
 「…………」
 「涼も、赤司も……敦も青峰も緑間も、黒子も桃井さんも……由梨も、凄い心配してくれた」
 「そう…、だったっすね……」


 懐かしいのか、黄瀬も目を細めて聞いていた。


 「でも、さ……もう、嫌なんだ。心配されながらプレーするの」
 「…………」
 「皆優しすぎたんだ。心配ばっかさせて、ホントはもう、苦しかった」
 「……黒、沼っち……」 
 「だったらバスケやめろ、って言われるかもな。でも、…約束したから」


 麗也はどこか楽しそうに言った。黄瀬は思い当たることがあって、尋ねてみる。


 「赤司、っすか??」
 「あぁ。——“必ず赤司をこえるプレイヤーになる”。それが約束であり、バスケを続ける理由でもあるんだ」
 「ほんと、沼っちと赤司仲良かったっすもんね」
 「バスケ部に誘ってくれたのが赤司だったからなー」


 はははっと麗也は笑う。黄瀬も静かに微笑んだ。
 赤司——麗也がバスケを始めるきっかけを作ってくれた男だ。


 「つか、守れなかった瞬間殺されそうだ」
 「それ聞かれた瞬間殺されると思うッス」
 「……今の聞かなかった事にしてくれ」


 はさみが一瞬頭をよぎり、麗也は遠い目をした。
 黄瀬は小さくため息をついた後、明るい声で言い放った。


 「ほんっと、変わらないっすね!!」
 「お互い様だろ?」
 「でも、沼っちがバスケ続けてくれてて、ホント嬉しいんスよ。俺……絶対、負けねぇっすから」
 「よし、じゃあ勝負だな。ま、俺は負けないけどなー」
 「なっ、言ったっすねー!!」


 そして2人はけらけらと笑う。
 黄瀬はいつもの笑顔を見せて、「そのかわり」といった。


 「無茶は禁物っすよ。俺、本気で沼っちの心配してるんスから」
 「……ほんっと、迷惑かけっぱなしだ」


 困ったように麗也は微笑んで言った。
 その時だった。


 「——お前のふたご座は、今日の運勢最悪だったのだが…まさか負けるとは思わなかったのだよ」
 「……見に来てたんスか、——緑間っち」
 「……緑間」


 ——緑間真太郎。キセキの世代の1人だ。
 麗也と同じくシュートが得意である。
 緑間は麗也の方を見ると、すっと目を細めた。


 「お前、シュート範囲が伸びていたな」
 「……見てたのか」
 「あぁ。だが……俺も負けてないのだよ」
 「地味に自己アピールしてんじゃねぇ」
 「なっ?!」


 やはり変わっていなかった。
 緑間は咳払いをひとつしたあと、黄瀬を見据えた。


 「お前は馬鹿の一つ覚え見たいにダンクの連続……」
 「近くからでもいいじゃないっすか。入れば」
 「だからお前はだめなのだよー」
 「セリフをマネするな黒沼!! ……だからお前はダメなのだよ、黄瀬。シュートは遠くから入れてこそ価値があるんだ。お前も思うだろう、黒沼」
 「いや、俺は別に」
 「——何なのだよお前はッッ!! 昔から俺よりシュートがキレていたというのに!!」
 「俺も一応ダンク入れたし。そんときはいなかったんだな」


 緑間はずれた眼鏡を直すと、小さくため息をついた。
 その時、遠くから由梨の声が聞こえた。


 「——麗也ー、もうみんな帰る……って、あ。……“なのだよ”だ」
 「まだお前はその呼び方をするのか白川!! いい加減にやめるのだよ!!」
 「由梨っち〜」
 「あぁ、黄瀬っち。今日はありがとね。って麗也、もう皆待ってるよ」
 「あ、その、由梨っち。沼っちさっき——」
 「涼」


 ぴしゃりと麗也は止めて、黄瀬を見る。黄瀬も麗也を見た。
 “言わなくていい”——視線だけで伝えれば、黄瀬はため息をついた。


 「何、麗也がどしたの?」
 「あ〜いや、なんでもないっす!! こちらこそ今日はありがとうございましたっす!!」
 「?? ま、いいや。麗也、帰るよ〜」
 「あ、あぁ。じゃあな、涼、なのだよー」
 「お前はのるな!! その呼び方はやめろと言っているのだよ!!」


 由梨とともに歩きながら、麗也は手を振る。
 誠凛メンバーに迎えられ、リコに頭をグリグリされている麗也を見ながら、2人は小さく笑う。


 「本当に変わってないのだよ、あいつは」
 「でしょ? 無茶するところも明るいところも、何も変わってないっすよ」


 苦しそうな表情は消え、「痛いですって!! ちょ、頭われっ…、」と叫ぶ麗也。
 それを見て笑う誠凛メンバーを見て、黄瀬は優しい笑顔を見せたのだった。


 *


 海常編終了。次回は肉でも食いに行こうか←
 みどりん登場。やっと登場させれたのだよ……!!
 ちなみに最後のリコからのグリグリの意味は勝手にいなくなってたからです。
 今回赤司の名前も出せました。

 また夜更新できればなー……。
 読んでいただき、本当にありがとうございました!