二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照600突破激感謝!! ( No.20 )
- 日時: 2012/08/11 22:43
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: soVn9TCU)
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参照600突破ほんとに感謝です!
今回はギャグ風味……ですね((笑))
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@第13Q.This is japanese lunch time rush!!
「…………パン、ですか?」
2年生ズが言った言葉を麗也は繰り返す。
そう、とリコは笑いながら頷いた。
「実は誠凛高校の売店で毎月27日だけ数量限定で特別なパンが売られるんだ!」
「特別な…パン……?」
由梨も聞き返す。リコはこくりと頷いた。
「それを食べれば部活でも恋愛でも幸運が約束される噂の“幻のパン”!」
「嘘っぽいですね」
「なんか言ったー? 黒沼くーん?」
「なんでもないです」
にっこりと麗也は綺麗に笑った。
リコはしらけた目をしながら、とにかく、と続ける。
「税込2800円!」
「たっか!」
「海常にも勝ったし練習も順調。ついでに“幻のパン”もゲットして、はずみをつけるぞって訳だ!」
「けど狙ってるのは私たちだけじゃないわ。ふぅ、いつもより“ちょっとだけ”こむのよー」
「…………」
リコの隣にいる日向が苦々しい笑みを浮かべていた。
麗也はなんとなく嫌ーな予感がしてきた。由梨も同じようで汗を浮かべている。
「ふんっ、パン買ってくるだけか。ちょろいじゃん。……ですよ」
「……ほい、金はもちろん俺ら2年が出す。ついでに皆の昼飯も買ってきてー」
日向はお金の入った茶封筒を火神に渡した。
火神はまじまじと見つめた後、しっかりとその封筒を受け取る。
「ただし失敗したらー……」
「……し、したら?」
麗也が聞き返す。日向はにっっっこりと微笑んで、
「つりはいらねぇよ? ——今後フットワークと筋トレが3倍になるだけだ」
(3倍まじ死にますから————ッッ!!!!!!!!)
(こええ……!!)
(お昼の買い出し、クラッチタイム?!)
(なる“だけ”って!! だけってなんですか日向先輩!! てゆかリコ先輩止めてよ!!)
はわわわわわとなる1年ズ。
そんな時、伊月が1年ズにきりだした。
「ほら、早く行かないとなくなっちゃうぞ。大丈夫、去年俺らも買えたんだし、パン買うだけ……ん?!」
「「「「…………」」」」
「…パンダのえさは、——パンだっ!!」
「「「「行ってきまーす」」」」
*
(これのどこが……“ちょっとだけ”なんだよオイ————!!!!)
人であふれ返る売店を見て麗也は内心で叫んだ。
いや絶対これ由梨はダメだろとか思いながら麗也自身もどん引きである。
「カ、カオスだ……!」
「と、とにかく行くしかねぇ! 筋トレフットワーク3倍は……死ぬ!!」
「よし、まずは俺が行く! 火神ほどじゃねぇが、パワーには自信あるぜ!」
そう言って走り出した1人目の犠牲者。
うおらあああああっと叫びながら走りこんでいくが———。
「んだあっ!!」
「「歯ァたたなすぎだろ!!」」
あっさりと吹っ飛ばされた。
そしてよくよく見れば——筋肉ががっしりな者が大勢いる。半端な力では勝てないだろう。
「…おんもしれぇ!! やってやろうじゃん!!」
(自殺行為だ——!!)
火神が走り出す。行けるか、と麗也はひきながら見ていた。
が——どんっ、とあの火神でさえも押し返される。
火神は床に座り込み、茫然と人込みを眺めながらつぶやいた。
「———This is japanese lunch time rush!!」
「火神……」
「こんなときだけアメリカかぶれかよ……」
「火神くん英語喋れたんだねー」
さりげなく由梨がひどいことを言っているような気もする。
麗也は小さくため息をつき、全速力でかけだす。
(やってみるか————!!)
「麗也待って、アンタ絶対死ぬ——!!」
由梨が叫んだと同時に麗也は見事に跳ね返された。
「…でぃ、This is japanese lunch time rush!!」
「「マネしなくていいよ!!」」
「つか火神より格別に華奢に見えるお前が行けるとも思えんわ!!」
「……なのになんで試合ではあんなに凄いんだ?」
疑問符を浮かべる麗也以外の1年ズに、声がかけられた。
「あのー……、買えましたけど」
「「「「「「…………」」」」」」
黒子だった。手には噂のパン。
火神と麗也はすっくりと立ち上がると、黒子につっかかった。
「黒子、おまっ……どうやって!!」
「まさかお前……ミスディレッたのか!!」
「いや元からテっちゃん影薄いし」
「「ホントのことだけど失礼だろ白川」」
「んー、人込みに流されてたら先頭に出ちゃったんで…パンとって、お金置いてきました」
黒子以外の1年ズは全員沈黙である。というより茫然。
はい、と黒子は火神にパンを渡した。
「ん…、どうしたんですか?」
「「「いや……、なんでもねぇよ」」」
「流石“幻のシックスマン”はちげぇなぁ……」
「…影薄いのって結構いいのかなぁ……」
「……おいおい。つか、マジでミスディレったのかよ……」
「…ミスディレクションとはちょっと違うんじゃない?」
ははははは、と黒子以外の1年ズは乾いた笑みを零したのだった。
*
「………買ってきました……」
「お疲れー。ありがと!」
「こ、これ……、例の……」
「あぁ、いいよ。お前らで食べなっ」
伊月が明るい声で言ってくれる。
麗也たちは顔を見合わせ、とりあえずは黒子からということで回し始めた。
そして黒子が一口。
「これは……っ、めっちゃおいしいです」
「うぉわ! こんな幸せそうな黒子はじめて見た!」
「じゃあ次は黒沼、食えよ!」
「ん。じゃあ、いただきます」
麗也も一口食べる。の瞬間、目を少し見開いた。
「……かなり、うまい」
「うぉわぁ! こちらも黒沼の超幸せそうな顔! じゃ、じゃあ次俺!」
そうして全員でパンを回していく。
かなり。いや、とっても美味しかった。
(美味かったな、あれ)
なんて。麗也は少し、幸せを感じたのだった。
*
ちょっと息抜きストーリーです(´・ω・`)
あんまり考えずにのんびり書けました。
今回のタイトル見てくれたら息抜き度がわかるかと。
おもにギャグ路線で行ってみました。
…………ギャグは苦手なのだよ……(´-ω-`)