二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1000突破激感謝! ( No.28 )
- 日時: 2012/08/27 21:09
- 名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: PxM9hGKP)
「……由梨、顔色悪くないか?」
「え? ……大丈夫、だよ? 気のせいじゃないかな?」
@第19Q.泣くっすよ
正邦との試合当日。麗也は由梨の顔色を気にしつつ、体育館へ向かった。
今は試合前のアップを麗也達誠凛メンバーは行っている。
(……やっぱ由梨の顔色、悪いよな)
ちらりと由梨のほうを見ながら麗也は思った、——時。
「なーにマネージャーの方見てんだよ、だアホ」
「いっ……?!」
ゴキリと首を強引に曲げられて、小さく呻き声が上がる。
——日向自身も気づいている。が、今はそちらを気にする時ではないのだ。
「なっ……にするんですか」
「悪い、力入りすぎた。ってか、今は敵の方見ろ! ……大丈夫だ、監督も気づいているよ」
「……すいません」
改めて麗也は正邦メンバーの方を見る。
1番体格がいいのが部長の岩村、そして司令塔の春日。その2人が目に入った。
(由梨曰く岩村さん、春日さんをマークらしいからな……)
「あ、でもって君が黒沼君っしょ?!」
「…………え?」
いきなり向けられた視線に、麗也は唖然となる。
だいぶぼーっとしていたようだ。気づけば目の前に坊主頭の正邦バスケ部の1人がいる。
「にしてもほんとに華奢だな。まじでスポーツマン?」
「……あのさ、それ悪気ないんだろうけどまじで心痛いから」
「え? 嘘?」
「ほんとですけど」
真顔で麗也はあっさりと切り捨ててやる。
坊主頭——津川はそれでもにこにこと笑っている。
「ってかさてかさ、俺らであったことあるよな!」
「……いつ?」
「覚えてねぇの?! ほら、君が帝光中だった時の試合で!」
「……あー、涼が赤司に怒られてた時か」
「…………俺君と真正面から対決したんだけど」
「……え? 嘘?」
「ほんとだから!! っていうか絶対今のはさっきの仕返しだろ?!」
何のことやら、という麗也に津川はむっとした顔になる。
そんな時、岩村が麗也と津川の元へとよってくる。
「あ、キャプテン! こいつもですよね! 誠凛超弱いけど2人強いの入ったっていう内の1人!!」
「……好き放題言ってるな、君」
「え? ——ってぇっ!!」
逆に麗也がむっとなった時、津川に正義の鉄拳が落とされた。
「ちょろちょろすんなバカタレ。すまんな。こいつは空気が読めないから本音がすぐ出る」
「……“本音”って言ってる貴方も、充分に失礼だと思いますけど? ま、今年は誠凛が勝ちますけどね」
「そうそう。——去年と同じと思ってたら、泣くっすよ?」
いきなり聞こえた声に麗也は驚いて隣を見る。
いつのまにか日向と火神が傍に来ていたようだ。2人とも真剣な顔をしている。
「それはない。……それに見下してなどいない」
「…………」
「“お前らが弱かった”。……それだけだ」
そう言って岩村は津川を連れて正邦コートに戻っていく。
麗也はいまにもかみつきそうな勢いでその2人の背中を見送った。
(……腹立つ、かも)
ふっ、と麗也は由梨の方を見て唖然とした。——真っ青、それをこえて、顔色が真っ白である。
「ちょっ、と……。おい、由梨……!!」
「…………え、……あ、麗也? どうしたの?」
「顔色ヤバいんだけどさ、まじで……大丈夫なのかよ」
「だーいじょーうぶ! ……気にしないで」
にこりと微笑む由梨とは裏腹に、麗也は表情を引き締めた。
*
「それではこれよりAブロック準決勝第1試合、誠凛高校対正邦高校の試合をはじめます」
アナウンスの声が大きく体育館に響いた。
由梨からの戦法、情報は全員が聞いた。あとは——試合開始のみだ。……そして。
「っしゃあ!! 行くぞ!!」
「「「おう!!!」」」
試合が、始まる。
*
次回から正邦編です。由梨ちゃんも今回は危うい状態。
最近は由梨と麗也がいてこそ書きやすいと気付きました。
ありがたやーな由梨の存在感←
もうすぐ夏休みも終わりますねー。……宿題? 何それおいしいんですか?←