二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1000突破激感謝! ( No.29 )
日時: 2012/08/29 19:43
名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: 0lEaUB5k)


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 麗也と由梨の絵を家でかいてみてました。みせれるもんじゃないですが←
 こう……2人で笑顔で拳をぶつけあってる的な感じですvv
 文章力に続き画力もない私って一体\(^p^)/

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 @第20Q.うちにもいるんだよ


 笠松と共に会場に足を運んだ黄瀬は絶句した。
 正邦が12点、誠凛が——0点。


 「えぇっ……?!」
 「お、おいおいマジかよ……」


 ——火神はドリブルをしながら唇をかみしめた。
 目の前の相手、津川のディフェンスが突破できないのだ。麗也も津川の背中を見て思った。


 (あいつ、ディフェンスなら涼並みだな……)

 「火神持ちすぎだ!!」


 伊月が火神のボールを取り、そのままゴールまで走っていくが——ボールはカットされる。
 麗也もくっと息を詰まらせた。


 (守りが堅すぎる……!! ボールも回ってこないし……!!)


 先ほどから麗也にボールは何度も向かってきている。
 ——が、それは見事に2人がかりくらいでカットされているのだ。麗也にボールを渡さない作戦だろう。


 (ちくしょ……!!)


 その時、火神がチャージングをして、審判に指摘された。
 本日で火神はもうファウル2こめだ。何か指示はないかとベンチを見るが、リコも焦っているようである。


 (…………もういいや)


 ————喘息だとか、秀徳戦だとか、もう今はどうでもいい。
 後に息が出来なくなるほど苦しくなってもいい。秀徳戦でマークが厳しくなってもいい。


 (今はとりあえず……勢いをつける!!)


 だっと麗也はかけだす。マークについていた相手も余裕の笑みを浮かべたままかけだした。
 先ほどまでずっと、麗也の手元にくるまでにボールをカットされていた。——だったら。 


 「火神!! ボール!!」
 「————頼んだぞ!!」
 「だからっ…、彼にはボールとらせな——」


 言葉は途中で途切れた。横を風が通り抜ける。
 ——だったら、“カットされる前に、素早く取ってしまえばいい”。


 「なっ……?! 早っ……?!」
 「——っらあああっ!!」


 ダンッッ!!と麗也は“いつもの彼のように”ダンクを決める。
 ピーッとなる笛の音。割れるような歓声。力強いダンクに、誠凛メンバー全員が笑った。


 「——ナイス、黒沼!!」
 「っしゃあ!! こっから一気に行くぞ!!」


 勢いのついた様に見える先輩たちに、麗也は小さく微笑んだ。
 火神と黒子も麗也の元へ来て、互いに頷きあった。


 「……ったく、俺のポジション取りやがって」
 「しょうがないだろ、お前あの津川ってやつにぴったりつかれてたんだからよ」
 「う……うるせえ」
 「でも、さ。——次は決めるんだろ?」


 汗を拭いながらまっすぐに火神を見つめて麗也は言った。
 にっと火神も笑い、“とうぜん”という。


 「さて、黒子。お前もそろそろ行こうか?」
 「はい。黒沼君、勢いをつけてくれてありがとうございました」
 「そんなもん気にすんなって。——じゃあいつもの、やってこうか?」
 「そうですね」


 力強く黒子は笑う。麗也は頷きながら笑った。


 「ってか、火神。お前あの津川ってやつ、抜けるのか?」
 「——は? 何言ってんだよ」


 麗也が挑発気味にいえば、火神は妖艶に笑う。


 「抜けるに決まってんだろ。——次はぜってー抜く。でもって決める」
 「……さっすが火神」
 「じゃあ……行きましょうか」


 ベンチで見ていた由梨は、真っ白な顔をしながらも必死で試合を見ていた。
 一時はどうなるかと思ったが、何とかはなりそうだ。


 (でも……ちょっと、今日……体調ヤバいな……)


 ふぅ、と息を吐く由梨。でも、心配なのは自分じゃないのだ。
 きっと今頃暴れることを誓っている、1人の少年に由梨の心配は向いていた。


 *


 「ファウル!! 白、10番!!」
 「なっ……?!」


 ——3度目のファウル。目があった火神に、“落ち着いていけ”と合図を送る。
 そんなことを言う麗也も、内心は少々焦っていた。


 (火神のダンクが1回決まって以降は決まらない……。で、俺へのマークも厳しくなってるし)


 あれ以降麗也へのボールを全力でカットしてくるようになった。
 ——そろそろかな、と麗也は黒子の方を見る。津川と何か話していたようだが、視線に気づけば力強くうなずいてくれた。


 (よっしゃ! マジで行くか!!)


 ボールが再びコートを駆け巡る。そして伊月が出したボールが——素早くパス回しされた。
 茫然とする観客と正邦のメンバー。だが、ボールが回ってきた火神は先ほどのファウルを消すようにダンクを決めた。


 「っしゃぁ!! ナイス、火神!!」
 「ナイス黒子!」


 火神の調子もいつもどおりになってきたところで——誠凛も勢い付いてくる。
 春日がシュートしようとボールを放つ瞬間に火神がそれを止めに入る。弾かれたボールは麗也の手元へ落ちた。


 「行け、黒沼!!」
 「げっ、あいつかよ!」
 「とめろ!!」

 「——止められるか……なっ」


 ボールを放つ麗也。ゴールまでの距離はある。
 だが、誠凛メンバー全員が安心してそのボールを見ていた。


 「あんな所から入るのか——」
 「入るんだよ、あれが。うちにもいるんだよ。——最強のシューター」


 日向が力強く言ったと同時に、3Pシュートが見事に決まる。
 歓声が体育館に響いた。ハイタッチを交わす麗也と火神。と同時に、第1クォーターが終わった。


 (19対19……。まだまだ、行けるし。……絶対勝つ!)


 力強く麗也は正邦メンバーを見据えた。