二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1300突破激感謝! ( No.34 )
日時: 2012/09/02 20:48
名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: MKBom4Aq)

 +++夏休み終了。締めくくりはやはり部活+++

 疲労で死にそうです(^p^) 部活で暴れまくりました←
 でも小説は更新するって衝動にかられたって言うどーでもいい事実(・ω・´)
 あ、それと近いうちに麗也の絵を貼りたいと思います。
 絵師の月森和葉様が描いてくださいました。いつになるかは分かりませんがお待ちください←

 +++明日から学校やだなぁ(^ω^)眠いです+++


 「すいません、ちょっとトイレ行ってきます」
 「あ、じゃあ俺も行こうかな」


 @第23Q.勝つのは俺らだ


 のんびりと黒子と麗也はトイレへ向かう。
 中に入れば、そこには——秀徳バスケ部の高尾がいた。麗也は小さく声を上げる。


 「お。……やあ」
 「……どうも」
 「あ、黒沼クンだ。次の試合、よろしくでっす」
 「え? あ、ああ」


 2人は茫然としながら高尾の背中を見送った。
 誰も気づかない、とても影の薄い黒子の存在に高尾は——気付いた。


 (まさかとは思うけど……あの高尾ってやつ、)


 浮かび上がる疑問を打ち消し、麗也はまさかなと笑ったのだった。


 *


 ————17時。……10分前。 
 誠凛メンバーはすくりと立ち上がる。そして日向が叫んだ。


 「よし、10分前だ! 行くぞぉ!!」
 「「「——おう!!」」」


 麗也は出て行こうとして——ふと立ち止まる。
 っ、と息をつまらせて、今にも出てきそうな咳をこらえた。


 (は、はは……。試合前だってのに、もう汗かいてんの、俺……)


 冷や汗が先ほどからとまらない。
 黒子が寝ていた火神を起こしているのを横目に、麗也は深く呼吸をした。


 (落ち着け、落ち着け……。これを乗り越えれば、今日は、終わり……)

 『——顔色が優れないのだよ、黒沼。お前また無理をしている訳ではないだろうな?』


 ふと聞こえた過去の“彼”の声に、麗也は目を少し見開いた。
 そして瞑目し、小さく微笑む。——やはり、迷惑をかける訳にはいかないのだ。


 (……由梨だってあんな顔色なのに頑張ってるんだ。……俺も頑張らないと)

 「————黒沼? おい、黒沼」
 「……ん、あぁ、悪い」
 「ぼーっとしてんなよ。行くぞ」
 「寝てた奴に言われたかない」
 「んだとこら。……もう体力も十分だし、暴れるぞ!!」
 「はぁ……了解」


 楽しげに笑った火神に、麗也もため息をつきながらも笑ったのだった。
 黒子も表情をひきしめ、3人は足早に体育館へと向かっていった。


 *


 試合前、誠凛メンバーは円陣をくんでいた。
 全員がキャプテンの日向に視線を送る。肝心の日向は口をへの字に曲げている。


 「……いやぁ〜、疲れたぁ〜……」


 ため息をつきながら日向は言う。それでも全員真剣な視線を逸らさない。


 「今日はもう朝から憂鬱でさぁ。2試合連続だし王者だし。正邦とやってるときも、倒してももう1試合あるとか考えるし……」


 ゆっくりと日向は瞑目した。——その口元に笑みが浮かぶ。


 「けどあと1試合……、もう次だの温存だのまどろっこしい事はいんねぇ。気分すっきり、やることは1つだけ!」


 1人1人の方を日向は見る。そしてその瞳に影がないことを見た。
 それを見て——日向は腹から声を出して叫んだ。


 「———ぶっ倒れるまで全部だしきれ!!」
 「「「——おう!!」」」


 ピピーッと笛の音が体育館に鳴り響いた。そして——見ていた黄瀬は絶句する。


 「え、ちょ、……マジッすか?!」
 「は? 何だよ、いきなり」


 笠松が怪訝そうな表情で黄瀬を見つめる。
 が、黄瀬はそんなものは気にもせずに、ただ平然と整列している麗也に向いていた。


 (俺たち海常との練習試合だけでもあんなにきつそうだったのに……!!)
 「——まだ出る気っすか、沼っち……!!」


 ————公式戦は練習試合とは違う。が、今日の誠凛の相手は両方王者である。
 

 (正邦戦ではフル、きっと秀徳戦でも……フル出場……)


 ははっ、と黄瀬は笑い、額に手をあてた。


 (ほんとにぶっ倒れるまでやる気っすね〜……。まじ無茶しすぎっすよ……)


 ——そんな黄瀬の気も知らず、麗也は黒子と共に緑間と会話をしていた。


 「どんな弱小校や無名校でも皆で力を合わせれば戦える。……そんなものは幻想なのだよ」


 麗也と黒子はまっすぐに緑間を見つめる。
 それにこたえるように、緑間もしっかりと黒子と麗也を見た。


 「……来い。黒子、黒沼。お前らの選択がいかに愚かか教えてやろう」
 「……じゃあ緑間。俺もお前に教えてやるよ。お前の考えが結構間違ってるって事をな」
 「…………なんだと??」
 「お前、今のバスケ楽しいか?」
 「……楽しい楽しくないで俺はバスケをしていないのだよ」
 「…その考えがまず間違えなんだよ」
 「何を言う黒沼。……お前だって別にバスケは“好き”とかではないだろう?」


 緑間は麗也の痛いところをついたつもりだった。が、麗也は逆に笑った。


 「“好き”とかじゃないけど……誰も“楽しくない”なんて言ってないだろ?」
 「————っ!!」
 「お前の言い方じゃ、俺らが負けるって方向だったよな。でも……勝つのは俺らだ。なぁ、黒子」
 「はい。————負けません。絶対」


 むっ、と緑間の表情が険しくなった。


 「それでは、予選Aブロック決勝! 誠凛高校対秀徳高校の試合を始めます!」
 「「「————お願いします!!」」」