二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 負けません。 (黒子のバスケ.) +参照1600突破激感謝! ( No.42 )
日時: 2012/09/09 21:47
名前: 悠希 ◆YLdWB0/d2s (ID: pibIqQxN)


 +++++

 >>茅

 ありがとう! 凄い嬉しい(^ω^)!
 ツンデレだよね!!www
 でもそこが良いんだよねbb(笑)

 +++++

 
 『……何故お前はそこまで無理をする。もっと頼ればいいのだよ、……俺達を』
 『充分頼らせてもらってるから。……ごめんな。ありがとう、緑間』
 『……俺は別に、お前に感謝されるようなことを言った覚えはないのだよ』


 @第27Q.俺ら仲間じゃないのかよ

 ——ふっ、と、麗也は目を開ける。今は控え室だ。
 何か周りが会話をしていたようで、少々かたかった空気が和んでいる。


 (でも…さ、一つだけ……気になるんだよな)


 ちらりと火神に視線をやる麗也。いつもと何かが違う。
 ——周囲を頼っていないようなそんな感覚。彼一人でプレイをしているように感じる。


 (ちょっと……背負いすぎじゃないかな)


 何か胸に黒いモヤが生まれる。不安というものだろうか。
 一応気にしておこうと心に決め、麗也たちは後半戦へと向かった。


 ■ ■ ■


 ————第3クォーター、開始である。
 黒子は一旦ベンチである。そして麗也のマークに高尾が来た。高尾はにやにや笑っている。


 「よお、黒沼クン。……悪ぃけど、シュートはうたせねぇからな?」
 「……それはどうかな。そういうの言われると……余計燃えるんだよね」


 負けじと麗也も余裕の笑みで返して見せた。
 その時、いきなり緑間にパスが回る。と同時に——火神が飛んだ。


 「——高い……!!」


 緑間も少々驚いているようだ。だが……、少し高さが足りない。
 飛ばれながらも緑間はそのままシュートを決めた。高尾も麗也に行かせる気はない様だ。

 
 「今俺が君さえ抑えとけばまだよし。あとは真ちゃんが決めていくぜ?」
 「……悪いけど、今は君にばかり集中してる余裕はないみたいだ」
 「……は? 何言って——って完全スルーしてボール取りに行くのかよ?!」


 麗也は高尾を置いといてとりあえずボールを取りに行く。
 日向が麗也に気づく。そしてボールを回してくる。——高尾がシュートのブロック体勢に入るのが見えた。


 (……だったら)


 ——瞬間的に、火神にパスが回された。
 一瞬火神は驚いたが、そのままダンクをかました。全員が茫然としている。


 「え……ちょ、今……黒子のパスだったよな?」
 「いや、でも……黒子は今ベンチだし……」
 

 ベンチの黒子は一瞬目を見開いた後、納得したように微笑んだ。
 高尾も茫然としている。てっきりシュートが来ると思っていたからだ。


 (今のパス回し……こいつもできんのかよ……?!)


 再びボールが放られる。麗也にボールが来た。
 それを見た高尾は、今度こそとシュートのブロック体勢に入る……が。


 (また……!)


 ボールは見事にパス回しされた。会場に沸く歓声。
 どうやら全員分かったようで——麗也にハイタッチをしに行く。


 「黒沼お前……パス回しもできたのか?!」
 「黒子には負けますけど、これくらいなら。シュートかどうか惑わす事も出来ますし」
 「凄いなお前! ナイスパス!」
 
 
 ハイタッチを交わした後、麗也はベンチの黒子に目線を向ける。
 黒子は麗也を見て、ゆっくりと頷いた。麗也もそれを見て頷き、ポジションに戻った。


 ■ ■ ■


 (黒沼に頼りすぎ? 確かにそうかもしんねぇ……だったら!!)


 緑間の言葉が嫌に響いた火神は、かっと目を見開いた。
 なかなかいい感じの試合である。誠凛も秀徳に全く負けてはいない。
 

 「——黒沼! ボール!!」


 ボールを持っていた麗也に叫び、回してもらう。
 シュートとパス回しの両方を使う麗也は、先ほどから高尾を惑わしている。
 パス回し——と思いきやシュート。シュート——と思い気やパス回し。


 (あいつにばっかり……頼ってなんからんねぇ!! まけたくねぇ!!)


 ——一気に火神の雰囲気が変わったのを、麗也は見ていて感じた。
 それからは火神が突っ走る事が多くなった。
 一切周りが見えておらず、無茶なプレーをすることも多い。


 「っ……火神! ボール回せって!!」
 

 麗也が叫ぶが、火神は一人でゴールに向かっていく。
 ダンクを決めようとするが——緑間に弾かれた。
 そして一気にカウンターがやってきて、そのまま決められた。


 「——火神……!!」
 「————第3クォーター、終了です!!」


 麗也ははぁ、と息を吐いて、ベンチへと向かった。
 汗をふきながら麗也は火神に真剣な表情で言う。


 「火神、お前さっきから無茶しすぎだ。もっと周りを頼れよ」
 「……何言ってんだよ」
 「…………は?」


 火神はとても真剣な顔で言った。


 「現状秀徳と渡り合えんのは俺と黒沼だけだ。今必要なのはチームプレーじゃねぇ。俺が点を取ることだ」 
 『何故あの時パスを出さなかったか、か……。愚問だな、黒沼。チームプレーを重視している暇はない』


 ———ふいにあの時の“彼”と重なる。
 その時……黒子が一歩前に出て、火神を思いっきり殴った。


 「なっ……にすんだテメェ!! テメェは負けてもいいのかよ?! 勝たなきゃ意味ねぇだろ!!」
 「一人で勝っても、意味なんかないだろ! ……今の状態で秀徳を倒せたとしても、きっと誰も嬉しくないです」
 「——甘っちょろい事言ってんなよ!!」

 
 今度は火神が黒子を殴った。そして叫ぶ。


 「そんなの、勝てなきゃただの綺麗事だろーが!!」
 「っ……じゃあ勝利って何ですか。試合が終了した時どんなに相手より多く点を取っていても……嬉しくなければ、それは勝利じゃない!」
 
 「……火神」


 静かに。静かに麗也は火神の名を呼んだ。
 そしてこれでもかと言うほど、火神の事を睨みつけた。だけど何処か悲しそうで。


 「……俺ら仲間じゃないのかよ」
 「————っ!!」
 「バスケは……“五人で”やるスポーツだ。一人でもワンマンプレーをした時点で……それは“チーム”じゃない」
 「…………悪、かった」


 その言葉を聞いて、麗也はいつもの優しい表情を見せた。
 そして黒子の方を見る。黒子はもう準備を終えていて、手首を動かしていた。


 「じゃあ僕も……そろそろ出します」
 「え? 何をだ、黒子?」
 「はい。…もう一つ。——今のパスよりも、もう一つ上があります。黒沼君と、今の火神くんなら……とれるかと」


 ■ ■ ■


 チームワークって大事ですよね(・ω・`)
 麗也は中学の記憶から、チームワークが乱れるのを好んでません←
 ちなみに途中でた声ははさみの彼で((((((
 
 次回。……例のパス、始動です(`・ω・´)