二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜過去の天才〜 ( No.2 )
- 日時: 2012/07/27 19:08
- 名前: ハルはる (ID: kM82Y1ex)
第1Q 『アメリカ』
アメリカ、とある空港。
『お譲さん、足大丈夫?荷物もってあげようか?』
『あ、ありがとうございます』
松葉杖で、小さな女の子が大きな荷物をもってヨタヨタ歩いているものだから、ほおっておけなかったのだろう。
優しそうな笑みを浮かべた、妙に色っぽい男が荷物を持つ。
『・・・って、辰也じゃん!』
『あぁ、杏奈かぁ、でかくなっ・・・たね』
『それはけなしてるの?』
『いや、』
彼は氷室辰也。
あたしがアメリカにいた頃からの友達だ。
・・・っていうか、兄弟みたいなもの。
ずっと、一緒にバスケをしてた。
「それにしても、その足」
「いきなり日本語に戻るね。
疲労骨折。バスケのしすぎだってさ。
・・・もう、男子と混ざってバスケできないんだ」
「・・・そうか。で、家でいいんだよな?」
「うん。ありがと〜。
・・・そういえば、あいつは?」
もう一人の、バスケ友達。
「ん?元気にやってるんじゃないのか?」
「意味分かんないんだけど」
「あ〜・・・、あいつは日本に行ったよ」
「そっか、会えると思ったんだけどな〜、残念」
辰也は松葉杖のあたしのペースに合わせてくれている。
やさしーなぁ、全然変わってないや。
なんか、笑えてくる。
「ぶはっ」
「もう少し女の子らしい笑い方出来ないの?」
「ヒドッ」
やっぱ、全然変わってない。
「お母さん!」
「杏奈!元気だった?足大丈夫?」
「うんっ、お母さんも大丈夫だった?変な料理作ってない?」
「杏奈」
低くて、大好きな声。
車椅子に乗っているお父さんにゆっくり近づいた。
「お父さん・・・、っ体は大丈夫?」
涙が止まらない。
少し痩せたからだ、点滴や、機械の管ついた腕。
「あぁ、お前も大きくなったな。
足・・・大丈夫か?」
「あたしは大丈夫だよ。こんなのすぐ治るし!」
「そうか、・・・おいで杏奈」
そう言われ、お父さんに抱きついて泣いた。
干からびるぞって兄ちゃんに笑われるくらい泣いた。
そして、泣き疲れて寝てしまった。
「ギブス取れた〜〜〜!」
病院から出てきたあたしを辰也は微笑みながら迎えてくれた。
いや〜、すっきりした。そして足細くなったw
「嬉しそうだね杏奈」
「だってさ、バスケが出来るんだよ!?
ってか、アレックスんトコ行かなきゃ」
「・・・じゃあ、ストバス行く?」
「う〜ん、でも軽くね。癖になっちゃう」
アレックスはあたしにスリーとか、スティールを教えてくれた・・・(叩き込んだ?)師匠だ。
足のこと、あと、全中優勝の金メダルを見せないと。
「あ、そうだった。全中優勝おめでとう」
「辰也ぁ〜〜〜っありがとう!」
嬉しいこと続きだ。