二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜過去の天才〜(2Q執筆中★) ( No.13 )
日時: 2012/07/29 23:57
名前: ハルはる (ID: kM82Y1ex)

第3Q 『もしも・・・』



時はまた戻り、アメリカでのこと。

アレックスと、辰也とプロのバスケを見に、電車で20分のところにあるアリーナに来ていた。

初めて見るわけじゃないけど、やっぱり凄くて、鳥肌が立っていた。
凄い。ただその一言に限る。


うるさいほどの歓声。
あたしは試合に見入っていた。


だから、バックのなかで鳴っていた携帯に気付くことが出来なかったんだ。












試合終了のブザーが鳴り、続々とアリーナを後にする人々。
あたし達もアリーナから出た。

これから帰るよって兄ちゃんに電話しようと携帯を出した。
ディスプレイには‘着信12件’の文字。

嫌な予感がした。
予感であって欲しかった。

気付いたら走って駅に向かっていた。
すれ違う人誰もが振り向く。


お父さんの病室に駆け込んだあたしの目には泣き崩れているお母さんと、それをなだめながら泣いている兄ちゃんが映った。

ピーッピーッと鳴り響く機械音がお父さんの死を静かに告げていた。

音が聞こえなくなって、その場に崩れ落ちる。
お父さんの教え子達が病室に入ってくる。



もし、あたしが試合を見に行っていなかったら?
もし、あたしがバスケをしていなかったら?

いろんな事を考えた。バスケを嫌いになろうともした。
でも、お父さんが好きだったものを、嫌いになれるわけがなくて、



「うわぁぁぁぁぁぁっ」

廊下に響く、あたしの嗚咽の混ざった泣き声。


そして過呼吸があたしの体を襲い、気を失った。