二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜過去の天才〜(3Q執筆中★) ( No.21 )
日時: 2012/08/02 00:45
名前: ハルはる (ID: r4kEfg7B)


あたしを取り囲み、心配そうに見ている。
その時思った。この人達はまじめに、一生懸命バスケをしているんだって。
「バスケが好きな奴に、悪い奴はいない。」
大輝が言っていたことは、合っている気がする。

「すいま、せ「杏奈っち・・・?」

なんであいつがいる?
部活のはずだよね?

どうしよう、早速ばれてしまった。

「どうしたんスか!?こいつらにやられたんスか!?」

「ち・・・がうっ、涼太・・・」

そういえば、涼太はモデルだったんだった。
今日は仕事なのか。そこまでかんがえていなかった。

「・・・この人は俺に任せてくださいっス。
行くっスよ」

「えっ!?どこ・・に」

「皆のとこっス」

え・・・
嫌だ。会いたくない。

「嫌っ!涼太嫌だ!」

「・・・いつ、帰ってきてたんスか?皆、連絡が取れなくなって心配してるんスよ?」

こちらに向き直り、見下ろされる。
涼太のこんな顔、見たこと無い。・・・恐い。

「・・・嫌」

皆とバスケ出来ないんだよ?
皆にあったら、したくなる。泣く。

みんなに、そんなの見られたくないよ・・・。

「とにかく、行くっスよ」

腕を引っ張られる。
男子の力には適わなくて、そのまま引きずられるように連れて行かれる。

「涼っ太!離して!」

「無理っス」

あたしの腕を掴む手に、力が入った。
痛いよ。涼太痛い。

「っっ、もう、皆とバスケ出来ないのっ!帝光には戻らない!」

一気に、言った。
すると涼太は振り向く。

「戻る戻らないじゃないんスよ・・・言ったじゃないっスかっ!皆心配してるんス!」

初めてだった。涼太が本気で怒ってる姿を見るのは。
そして思った。
本気で、心配してくれていたんだ、と。

でも、やっぱり・・・

「ごめん。涼太が言っておいてよ。まだ会えないから」

力一杯腕を払った。いきなりだったので、簡単に振り払えた。
ビックリした顔の後、すぐにあたしの腕を掴もうとする。

走った。
涼太は追いかけてこなかった。

「ごめん・・・涼太」

涙で、視界が歪んだ。
皆に会いたい。その気持ちが強くなった。

でも、今のあたしは見せられない。

バスケにちゃんと向き合っていないあたしは、まだ皆に会っちゃいけない。



バスケに、今の自分の体と向き合うことを決めた瞬間だった。













「あたし、女バスに入ります。」

次の日の朝一に女バスの顧問のところに行ってそう伝えた。
過呼吸のことも、足のことも。

朝部活からあたしは森崎中女子バスケットボール部の一員になった。



「白崎さん、あたしは紺野有季。部長でPGやってるの」
「あたしは鷹本扇華。白崎さんと同じSGよ」
「茶野あかり、C」
「浅桐胡桃。一応PF」

女バスのエース4人。
第一印象・・・

とにかく茶野さんは背と胸がでかすぎる。
鷹本さんはなんか、凄い綺麗。
浅桐さんは・・・薄い?(すいませんっ)顔立ちがテツヤみたいな感じだ。

紺野さんはなんか可愛い。フワフワした外見だ。
・・・征十郎と同じPG・・・か。

「よろしく。」

誘いを断固拒否してたのに、自分でもビックリするくらいアッサリしていた。
まあ、やるからには本気でやる。

でも正直・・・少し恐いんだ。
あたしに対しての風当たりは絶対にそのうち悪くなる。それが恐い。


「白崎さんのシュート、見てみたいんだけどいいかしら」

鷹本さんが、ボールを手にそう言った。
ここで断るのはまずい気がしたから、「いいよ」と言って構えた。

ハーフライン手前。

ドキッと胸が鳴る。

シュッ—————・・・

大きな放物線を描くボール。
一瞬、体育館が静かになった。

シュパッ

入った。
それとともに聞こえた声。

「なんかウザイ」

そりゃそーだ。
そんなの自分が良く分かってるよ。

鷹本さんも、きっと・・・

「凄い!どうやったらそんなトコから入るの?」

綺麗な声で、仕草で。
純粋に、そう言ってもらえたことが嬉しかった。

「白崎さんのプレーが早く見たいね」
「楽しみだな〜」

皆、普通に接してくれた。
ここなら、皆がいれば大丈夫な気がしてきて、それからはしばらく過呼吸が出ることは無かった。



もしあいつらに会ったら言おう。

「あたしはこっちで最高の仲間を見つけたよ。」って。