二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ〜過去の天才〜(3Q更新★) ( No.25 )
日時: 2012/08/02 19:25
名前: ハルはる (ID: r4kEfg7B)


5点差。

第3Q中盤。

流れは、森崎にきていた。

「有季!」(あかり)

パス回りがいい。
扇華も、シュートの調子が上がってきていた。

ボールが、あたしへと回ってくる。
足の痛みをこらえて、スリーの体制に入った。

「・・・!」

目が、合った。
征十郎と。

「っ」

手からボールが離れた瞬間、息が苦しくなる。

なんでこんな時に、

袋は、手元に無い。

「ヒゥッはっ」

「杏!?」

しゃがみこんで、息苦しさに耐える。
意識が、遠のいていった。

最後に、ボールがネットをくぐる音が聞こえた。









「ぅ・・・」

「気がついた!?」

心配そうに、あたしを覗き込む皆の顔が見えた。
ここは、控え室だろうか。

試合は・・・

「しっ試合はどうなったの!?」

「っ・・・負けちゃった。杏がいなくなってから、一気にやられた」(胡桃)

皆の目は赤くて、泣いた後のようだった。

‘負け’

「ごめ・・・んっ皆ごめ・・・」

「うぬぼれないで。杏がいなかったから負けたんじゃない。」(扇華)

「・・・あたしね、杏が来てくれて、もっとバスケが楽しめたんだ。
帝光に、あそこまでやれて嬉しかったんだよ」(有季)

「っ皆・・・」

「いいんじゃない?楽しかったし。あんまり好きじゃなかったバスケが、楽しかった。」(あかり)

「そうだよ。これで一生バスケが出来ないわけでもないし」(胡桃)

ぎゅうっと皆に抱きしめられて、涙が溢れた。
本当に、皆とバスケが出来てよかった。

「体、万全じゃないのに無理させてごめんね」

「ううんっ、あたしはいいの。だってバスケ好きだから」

最後に、部員皆で写真を撮った。


あたし達の夏は終わった。









「よしっ帰ろっか」

着替えも済んで、控え室のドアを開けた。

・・・え?

「杏奈っち!」

「っぎゃ〜っ!抱きつくなっ」

涼太が、いた。

「きゃー、黄瀬君だーかっこいー」

棒読みで控え室から出てきたのは扇華だった。

「鷹本さんは相変わらず嫌味な言い方っスね」

「あらごめんなさーい」

バチバチと、二人の間で火花が散っている。
この二人、仲悪いの?

でもなんか・・・

「お似合かも」

「「は!?」」

仲いいんじゃん。



「杏奈」



あぁ・・・逃げたい