二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜過去の天才〜(10Q更新★) ( No.86 )
- 日時: 2012/08/30 18:46
- 名前: ハルはる (ID: L9PtbysF)
第11Q 『進路』
あれは、なんだったんだろうか。
急に頭が痛くなって、赤司君の声が聞こえて。
多分、あたしが忘れている記憶の欠片。
「む〜・・・わから〜ん!」
「っ!?いきなり叫ばないでよ!それにここ図書館!」(扇華)
「あ・・・ごめんごめん」
周りからの視線が痛いです・・・。
ホントにすいませんでした。
「もう、全然進んでないじゃない。高校行く気あるの?」(扇華)
「めっちゃあります。てか中卒とか勘弁」
「だったら手を動かしなさい」(扇華)
すこしずつ、きっと前のようにできていると思う。
中学が同じとは大きいもので、皆の事ももう名前呼びだ。
そして、今は中央図書館で勉強中。
扇華とあかりと胡桃で来ている。
・・・あれ、有季はなんでいないんだろ?
「ねぇ、有季なんで来てないの?」
「あぁ、そっか。杏は入院してて知らなかったのね。」(扇華)
「有季は彼氏さんと勉強するんだって〜」(胡桃)
「ほんとリア充死ねばいいのに」(あかり)
「彼氏!?誰それ」
「杏のクラスの柳君よ。男バス部長のイケメン君」(扇華)
「え〜、柳かぁ。まあ、良い奴だしねぇ」
「・・・で、杏は結局高校どうするの?」(扇華」)
赤司君に洛山に誘われてから数日が経っている。
誠凛か、陽泉か、洛山か。
聞いたところによると誠凛には黒子君、陽泉には紫原君が行くらしい。
なんか、凄い偶然だ。
「高校・・・か」
「進路希望調査には誠凛って書いてるの?」(扇華)
「うん。とりあえずって感じで」
「皆違うとこ志望してんだね〜」(胡桃)
「え、皆どこ行こうと思ってんの?」
「秀徳」(扇華)
「海常」(胡桃)
「桐皇」(あかり)
・・・・え、全部キセキの世代の行くとこじゃん。
なんつー偶然w
「有季はまだ決めてないみたいだけどね〜」(胡桃)
「へ、へぇ」
なんかビックリしすぎて言葉が出ないよ・・・。
あたしも早く決めないとな〜
「杏、あたしが口出すことじゃないのは分かってんだけど・・・洛山は行かない方がいいと思う」(あかり)
「うん・・・あたしもそう思う」(胡桃)
「・・・なんで?」
「あたし、赤司君苦手。それに、ちょっと考え方があたし達・・・杏と違いすぎる。」(扇華)
「考え方?・・・バスケの?」
なんとなく、分かった気がする。
あの時聞こえた言葉の意味が。皆が言っていることが。
「杏と赤司君は、合わないと思うよ。」
——————合わない・・・か。
その夜、夢を見た。
帝光中のブルーのシャツを着て、きれいな校舎の中を歩く自分。
後ろから桃井さんに抱きつかれて、転んで苦笑いをしてる自分。
黄瀬君とバスケをしている自分。
なんでかメイド服を着ている自分。
とんでもないところからシュートが入って黒子君とハイタッチしている自分。
浴衣を着て泣いている自分。
そこで夢から覚めて、気付けば涙が枕を濡らしていた。
忘れていた記憶が、すこしずつ戻っていく。
嬉しいはずなのに、すごく寂しくなってくる。
・・・・・・思い出したくないと、思ってしまった。