二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜過去の天才〜(10Q更新★) ( No.98 )
- 日時: 2012/09/03 23:41
- 名前: ハルはる (ID: H/64igmC)
(11Q続き)
洛山には、行かない。
行きたいと思える高校でもないし。遠いし。学費高いし。
「兄ちゃん、ここ分かんない」
「あ〜?ここはなぁ」
陽泉に行くのか、誠凛に行くのか。
迷ったけど、よく考えたら大変なことが判明した。
もしあたしが陽泉行ったら、食事は誰が作るのか。
兄ちゃん?それともお母さん?
・・・どっちにも作らしちゃいかん。
死人が出るぞ。
ってことで、誠凛にしました。
新設校だし?制服可愛いし。文句はない。
「杏奈、お前ほんとに国語壊滅的だな。英語は良くなったけど」
「まぁまぁ。いいじゃん日本語喋れれば」
「お前なぁ」
「すいません。頑張ります。」
あたしの記憶は戻りつつある。
・・・でも、なぜか森崎に入ってからが思い出せない。
あと、赤司君が好きっていう感情も、ない。
でも不思議と今はそんな事どうでもいい。
思い出せないことが辛いとか、どうしても思い出したい!とは思わない。
「・・・やめた!集中しよう!」
問題集に再び視線を落としシャーペンをひたすら動かした。
時は過ぎ
——————誠凛高校合格発表。
まだ寒く、吐いた息は白い靄へと変わっていく。
「寒っ・・・」
マフラーに顔をうずめ白い掲示板に自分の受験番号を探す。
『249』
掲示板にある数字と自分の受験番号を何度も見比べた。
「うっ受かった!」
やったぁ!と声を上げるあたしの横で、肩を落とす帝光中の制服を着た男子生徒。
喜びの声を上げる者。静かに泣く者。
「・・・帰ろう・・お?」
なんか、見たことある奴がいる。
誰だっけ?アメリカで・・・・あ!
「大我!」
「うお!?」
突然後ろから突進されバランスを崩しながらもこちらを見る大我。
「杏奈じゃねーか!久しぶりだな!」
「なに大我も誠凛受けてたの!?」
「おうよ。ばっちり受かったぜ」
「あたしも〜!」
受験票を見せつけニッと笑う。
それにしても、身長伸びたなこいつ。
「今何センチ?」
「190」
「10くれ」
「無理だ」
「「・・・ぷっ」」
懐かしい。
辰也と一緒にバスケをしたのを思い出す。
「・・・・・あ。ごめん大我、ちょっと用事思い出した。また入学式で!」
「あぁ!」
水色の髪の毛を見つけてあたしは走り出した。
小さい体を活かし、人ごみをスイスイと抜ける。
「テ〜ツヤ!結果どうだった?」
「・・・あぁ白崎さん」
「え、ちょっと待て。今あたしのこと一瞬忘れてたでしょ」
「・・・白崎さんはどうだったんですか?」
否定しろよ!
悲しいぜテツヤ。
「合格だったけど?テツヤは?」
「もちろん合格ですよ」
「じゃあ4月から一緒だね!」
「そうですね。」
「あたしさー、赤司君に言ってないんだよね〜」
「え」
それは後が恐いですね。
とマジで顔色を悪くする。
「まぁ・・・ね。そういえば、バスケやるんでしょ?」
「・・・はい」
今の間はなんだ。
「あたしもうバスケ出来ない足だけど、マネージャーでもやろっかなって思ってるの。テツヤももう一度同じチームでやろ?」
「はい。また一緒のチームになりましょう。」
今度は即答だった。よかった。
ピロリン、ピロリン
あ、涼太からメールだ
『合格発表どうだったっスか?
あと・・・、黒子っちはどうだったっスか?いろいろあって黒子っちに聞きずらいっスから』
「二人とも合格だったよっと」
「誰ですか?」
「ん〜?有季だよ」
なにがあったのかは知らないけど。
良かったねテツヤ。気遣ってくれる人がちゃんといる。
「じゃあ、あたしお母さんとか家で待ってると思うから行くね。バイバイ」
「さようなら」
桜が満開のこの誠凛高校を想像する。
「ふふっ。早く登校したいなぁ」
そしてそれぞれの進路が決まった。
誠凛にはあたしとテツヤ。
秀徳には扇華と真ちゃん。
海常には胡桃と涼太。
桐皇には大輝とさつき。
陽泉にはあかりと敦。
そして洛山には赤司君と・・・・有季。
新しい生活に思いを馳せ、心を躍らせる。
(実は柳も誠凛だったりw)