二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ワンピース】-喘ぐサファイア ( No.110 )
日時: 2012/08/13 22:35
名前: 優騎那 (ID: 1JT7H2ne)

「それくらいにせいフォークス」

ジンベエがフォークスをいさめた。
フォークスは、ため息をついて肩をすくめた。

「…………ずいぶんヒドイめにあわされた様じゃな」
「何を貴様人ごとの様にィ!!!」

因縁を思い出し、震えたナミは顔を上げて行った。

「ええ。何があっても今更アーロンを不憫だなんて思うつもりはない……。だけど、私は2年前シャボンディ諸島に着くまで、あんなに強い魚人達が人間から迫害を受けてたなんて知らなかった。
ケイミーが人攫いに捕まって……それを追ってた時……私は目を疑った。
目の前に広がる[シャボンディパーク]が…アーロンの建てた[アーロンパーク]にそっくりだったから!!」
「…ニュ〜〜〜…憧れてたんだ…」

ハチが口を動かした。

「許して欲しくて言うんじゃねェぞ…ナミ…!!アーロンさんは人間が大嫌いで人間を恨み、おれたちはやりすぎた。……でも、ガキの頃から人間たちの住む世界にあこがれを持ってたのは事実だ」
「200年前まで魚人と人魚は"魚類"に、オレと同じ水中人—マーピープル—は"両生類"に分類されてたそうだ……」

フォークスは地面にふんぞり返り、赤いハイヒールを履いた足を組んだ。

「200年前に竜宮王国は世界政府に加盟して"世界会議"—レヴェリー—への参加も許された。でも、人間は魚人族を嫌い続けた。
一番ひどかったのは大海賊時代の始まり。人間の海賊たちがこの島で暴れ回り、多くの魚人族が売り飛ばされた」
「———そこを救ってくれたのが………今は亡き"白ひげ"のオヤジさんじゃ……!!」

今から24年前、"海賊王"ゴールド・ロジャーが処刑の際に放った一言から大海賊時代は始まった。
多くの猛者たちが海へと繰り出した中で、多くの魚人族がオークションにかけられた。
そこへ、白ひげがある日魚人島に現れ、こう言った。

『この島はおれのナワバリにする!!!』

「島に平和が戻った。
しかし、人間達の魚人嫌いが止むわけじゃない……!!
お前さんらもシャボンディ諸島で見たはずじゃ…現実をな。
おかしな話……一度権力を手に入れた者ほど変化を恐れるもの。
魚人と人間の交友を決めた"政府の中枢"に近づくほどに差別体質は深く根付いて変わることはなかった…!!
そんな折、魚人島ではこの腐った歴史を変えようと2人の人物が立ち上がり、人間も1人立ち上がったんじゃ………。
一人は[オトヒメ王妃]……。
人間と"共に暮らす"事を島民に説き続けたしらほし姫の母上じゃ。
二人目は奴隷解放の英雄[フィッシャー・タイガー]
人間との"決別"を叫び……世界の禁止事項を犯し…たった一人で聖地マリージョアを襲撃……!!
奴隷たちを救った。
そのあとに元奴隷の魚人達を連れ…[タイヨウの海賊団]を結成する男じゃ…!!!
もう一人は[元赤髪海賊団副船長プリンセス・アマンダ]
彼女もタイのお頭と同じく、二度に渡り奴隷たちを解放した……。
今はどこでどうしておるかもわかっておらん。
わしもアーロンもフォークスも、当然ハチも…その[タイヨウの海賊団]に所属することになる…!!
しかし政府に激しく盾ついた[魚人海賊団]が海にいることは……同時に人間との交友を実現しようとするオトヒメ王妃の首をしめる結果となった……。
今を耐え忍び未来を変えようとするオトヒメ王妃に対し……未来を捨てて…今苦しむ同族の奴隷達を救い出したフィッシャー・タイガー…。
苦しむ者、虐げる者の声に耳を傾けて力の限り暴れたプリンセス・アマンダ…。
誰が正しいかなど…とても決められん。
じゃが、わしは…」