二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ワンピース】-喘ぐサファイア ( No.112 )
日時: 2012/08/15 10:35
名前: 優騎那 (ID: SzPG2ZN6)

時を少しさかのぼる。
————ここは16年前の魚人島

「強盗だ————!!」

大金を背負い、銃を持った男が逃走する。
片手に人質を抱え、人質に銃を突きつけた。

「おいどけェ!!!おれはピストルを持ってるぞ!!!人質もいる!!!近寄るな!!!」
「キャ——————!!!」

近寄るな、と叫ぶ男に駆け寄るものがいた。

「誰だ!!!ハァ…ハァ!!忠告したぞおれはァ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

男はドン!!ドンっ!!と二発連続して撃った。
目に止められない速さでかけてくる尾が二股の女性の人魚は銃弾をヒュンッとよけた。

「え!?」

女性は強盗にバチィン!!!と綺麗に平手打ちを決めた。

「べほっ!!!」

男は平手打ちを食らって仰向けに倒れた。

「あああああああ〜っ!!手が〜〜〜〜!!」
「「「「「そっち〜〜〜〜〜〜!?」」」」」

さっと医療班の者が女性の手を診た。

「複雑骨折です!!」
「構いませんっ!!」
「オトヒメ様!!」
「オトヒメ王妃!!」
「なぜ強盗などという虚しい行為をなさったのです!!!」
「黙れ!!」

男はオトヒメに銃を向けた。

「裕福なお前ら王族に何が分かる!!!うちじゃが気が10人腹減ったと泣いてんだ!!!」
「では尚更よ!!!」

オトヒメは男をバチン!!と何度もぶつ。

「王妃様!!!もうぶつのはおやめに!!あなたの体は人並み外れて弱いのですから!!!」
「構いません!!!彼のため、この手が砕けても……!!」

右大臣が止めるように言ってもオトヒメは構わないと言う。

「盗んだお金で育てられた子供達は!!!幸せになれますか!!?子に胸を張れない生き方をしちゃいけません……………!!だけど私も………謝りたい…………!!!」

男の頬に冷たいしずくが落ちた。

「ごめんなざい!!!同じ国に住むあなたの気持ちに気付いてあげられなくで…………」

オトヒメは涙をボロボロ流し、よだれも鼻水まで垂らして男に謝った。

「……あなたの心の声が、痛みが…!!!あおうっ!!あお〜〜〜〜う!!…つらい理由がおありなのね」
「………!!!ウゥ…!!!おれだって…やりたくなかった………!!!だが!!もうどうしようもなかったんだ!!!おれの店が燃えてよ…!!放火されて…財産も奪われた…。仕事もねェ、借金は増え!!子供たちは腹を空かせてかわいそうで…!!!」
「でもダメよっ!!!同じ事をあなたがやっては不幸が連鎖する!!!」
「ぶへっ!!!」

オトヒメはもう一度男を叩いた。

「だけど!!ごめんなざい…。頼られる王族じゃなかった私たちにも責任があります…」
「いやァ、もったいねェ〜〜〜〜。その言葉もったいね〜〜〜〜〜!!」