二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ワンピース】-喘ぐサファイア ( No.84 )
日時: 2012/08/08 19:19
名前: 優騎那 (ID: sLixnwLP)


今から数時間前、事件は誰も近寄らない場所で音もなく幕開けしていた。

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「ニュ〜〜〜〜!!お前ら本気でやるのか。バカな真似はやめろ!!」

松葉杖をついたタコの魚人が魚人街のシャボンの中に押しかけてきた。
フォークスがよく知る顔である。

「E(エネルギー)S(ステロイド)なんて身を滅ぼすだけの薬だ。
魚人が魚人島を潰してどうする。
大騎士ネプチューンを甘く見るな!!」

ホーディは耳にタコができる—話し相手はタコだ—と言わんばかりに盛大に肩をすくめた。

「ハチさん……!!勘弁してくれませんか…。
もうあんたの意見は聞きたくねぇんだ。
とても俺の憧れた一味の幹部とは思えねェ。
あんたはフヌケちまった…!!もう世代替えですよ…!!
人間たちに思い知らせるためには"魚人島"が必要で、ネプチューンは邪魔なんだ!!
思考の種族が我らだってのは、アンタらの教えだぜ!!?」
「だけどアーロンさんは敗けた!!!ニュ〜〜〜〜…
デッケン!!ヒョウゾウ!!チョウコ!!お前らまで何だ!!
当時アーロンさんの呼びかけにも応じなかったおめーらが!!何で今、若ェこいつらに手を貸してんだ!!」

刀を携えたヒョウモンダコの人魚がひょうたんごと酒を飲んだ。

「手を貸す?…雇われたんだ。おれは金でなァ…。アーロンの奴は金離れが悪くおれを雇いきれなかった…。
お前止まりの剣士しか連れて行けなかったアーロンは気の毒だったなァ」

猫の髭のような髪型をしたネコザメの魚人がバホバホ笑い飛ばした。

「バホホホ!!アーロン一味のハチかぁ〜〜〜〜。
こりゃ懐かしい。おめぇんとこの船長は当時、このおれさえも"手下"にしようとしたんだ。
バギャ言っちゃいけねェ!!おれは人の下には断じてつかねェ男よ!!!ホーディはその辺を分かってる」

桜色の髪を持つチョウザメの魚人が足を組んだ。

「あたしを連れて行こうとしたけど、そんなの願い下げさ。
アーロンは結構いい男だったよ。だけど、惚れた男にはかなわないね」

チョウコはホーディの首に手を回し、指先を絡めた。
ハチは忌々しげに、悔しげに口元を歪めた。

「フォークス!!どうしてお前までホーディに肩入れする!!?
タイのお頭の意思を忘れたわけじゃあるめェ!!」

はァ、とため息をつき、フォークスは気だるそうに口を開いた。

「ある男の弟に会うためだ。会って殺してやる」


美女の腕の中で……葬ってやるんだよ