prologue : 悲願する少女。「ねぇ…っ、 思い出してよ…、」サヨナラ、と告げる声が聞こえるの。疑心暗鬼。「お願い…、お願いだから!」懇願する、声が聞こえるの。涙声。「誰か……、 私を知ってる人はいないの?ねぇ…!」彼女は、涙で濡れた顔で、瞳で、荒んだ姿で、静寂で静まり返った図書館で、「誰か私の、願いを聴いて…」——これは、悲劇の御話。 願いを聴いてもらえなかった、お姫様の御話。