PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 記憶喪失少女と歪む世界 【inzm】 ( No.5 )
- 日時: 2012/07/31 16:31
- 名前: 聖 ◆atevkS7Xtg (ID: LMLu5hTj)
プロローグ
目を覚ましたのは、暗い世界で、目に見える物のすべてが真っ黒。
ずっとこの世界にいたら飽きてしまいそう。
でも、私にこの世界から出る方法はない事を直感で悟った。
(『誰か』居ないの?『誰か』、ここから私をだしてくれる人は…)
仕方なく私は一人膝を抱えて座っていた。
誰も助けが来ないのは知っている。それでも、私はその『誰か』を待っていた。
いつか訪れるかも知れない希望の光が来るのを待って。
その時は突然訪れた。
急に世界が明るくなって、慣れない私は目を眩ませる。
黒かった世界はもうなくて、黒い世界があった所には色が溢れていた。
「ああ、これで助かったんだ」と呟くと、『誰か』が近づいてくる事に気付く。
その『誰か』は、私に手を差し出して、「おいで」と誘う。
私は戸惑って、手を取るべきか悩む。
『誰か』がまた、救ってあげる、と囁く。
その言葉に動かされて、私はその『誰か』の手を取った。
手を取れば、何かを失うのを知っていながら。
取り返しの出来ないという事を知っていながら。
それでも、私は救われたかった。
その『誰か』の手を取った、その瞬間…。
私の意識は消えた。
PR