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半田〜雷門中グラウンドにて〜

「ええ〜〜〜！！それ、ホントか！？」

　練習が終わりみんなが弁当を広げているとき、円堂がマネージャーの春奈の話を聞いて叫んだ大声だった。しかしみんな春奈の話す「噂」に夢中になっていたため、誰も円堂のことを責めなかった。もちろん、俺も。

「あくまで、新聞部の先輩が教えてくれた『噂』に過ぎませんけど」

　春奈曰く、部室棟の裏にあるという古ぼけた扉が実は異世界に続く魔法の扉なのだという。元々あの扉についてのとっぴな噂はたくさんあった。２０年くらい前に突如出現しただとか、中に入った生徒が戻ってこなくなっただとか。そういう気味の悪い噂が連発したため、今現在、あの扉に近づく生徒はほとんどいない。
　その類の噂が大好きな春奈は、早速新しい情報を仕入れてきたというわけだ。

「じゃあ、行ってみようぜ、部室棟！！」

「・・・え、いくの？」

　円堂の言葉に、俺たちはただポカンとしていることしかできなかった。壁山に至っては、その顔色を信号のごとく瞬時に真っ青にしていた。

「だって、異世界だぜ？おもしろそうだろ！」

　嘘に決まってる・・・。なに真に受けてんだよ。
　しかし、あまりにも円堂がうるさいので俺たちは半強制的に部室棟裏の「扉」とやらに向かうこととなった。