二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【とんがりボウシ×イナイレ】 魔法界へのトリップ ( No.14 )
日時: 2012/08/31 00:55
名前: メロンソーダ ◆cSJ90ZEm0g (ID: nWEjYf1F)

   8

「な、なんで、吹雪たちがここに!?」

 すっかりびしょ濡れの吹雪たちを見て、円堂が驚愕した様子でつぶやいた。正直俺も驚いている。

「俺がここに来たとき、吹雪さんたちはすでにいたんですよ」

 少林がそう説明した後、吹雪が口を開いた。

「緑川くんたちは、白恋中に遊びに来てくれてたんだ。校舎の裏の扉の話題になって、実際に行ってみたら・・・」

 そこからの流れは、俺たちとほぼ同じなのだろう。

「う〜んと、じゃあ、ここどこだと思う?」

 緑川が誰ともなしに行った。

「さあ?円堂曰く、異世界じゃないかって」

 そう答えたのは風丸。ヒロトは肩をすくめ、「そうとしか思えないよね」とつぶやいて辺りの景色を確認した。

「ここは・・・町・・・かな?」

 自然豊かな町並み。建物は全てツリーハウスとなっている。ここから見渡す限り、例外が約二軒ほどあるようだが。ひとつはもちろん俺たちが出てきたこのボロ家。そして、もうひとつは・・・

「なんだ?あれ」

 のどかな川の上流をたどっていくと、赤い屋根に白い壁のひときわ大きな建物が見えた。けっこう目立つ。

「・・・学校?」

 秋がつぶやく。
 確かに、それっぽいが・・・どうなんだろう?

「ああ!」

 突然、少林が大声を上げた。

「どうした?」

「ここ、誰かが寝てます!」

 少林が指差すのは小さなベンチ。そして、その上で寝息を立てる一人の少年。本が開かれた状態のまま彼の顔にかぶせてあるので、顔までは分からないが、綺麗な金髪をしている。
 ひとつ気になるのは、マックスと同じ、奇抜なストライプのニット帽をかぶっているということ・・・。

「雨の中寝てるし・・・」

「変わった奴だな」

「てことは、この町の住人かな?」

「まあ、そうだろうな。多分」

「変な帽子・・・」

「僕に言ってるようなもんだよ、それ」

「本・・・取っちゃわない?」

 緑川が提案した。

「そうだな。よし、取るぞ。いっせーの・・・」

 円堂は本を少年の顔から取り去り、直後その本を落とした。

「・・・あ・・・」

「? どうした・・・」

 駆け寄った俺も、目を見張り凍りついた。

「ええええ—————!!!」

 みんな一斉に叫ぶ。
 眠っていた少年は、その声で目を覚ました。

 彼は、顔までマックスにそっくりだった。