二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【とんがりボウシ×イナイレ】 魔法界へのトリップ ( No.22 )
日時: 2012/09/06 16:04
名前: メロンソーダ ◆cSJ90ZEm0g (ID: nWEjYf1F)

  10

 豪炎寺〜雷門中「部室棟裏」にて〜

 ありえない!
 少林が消えた時、俺は心の中でそう叫ばずにはいられなかった。さらに、円堂、それに彼を追いかけて行った半田、さらには風丸たちまでもが消えてしまった。
 実のところ、俺も扉に飛び込もうとしていた。しかし染岡と土門に遮られ、結局その場に立ちすくんでいることしかできなかった。

「よせ、豪炎寺!」

「今はだめだ!」

「なんで・・・なんであいつらは・・・」

 壁山はなにかにおびえるように縮こまり、ブルブルふるえていた。やはり、少林への罪悪感ゆえだろうか・・・。

「とりあえず、夏未に・・・」

 そうつぶやいて携帯を手にした時、耳元で響いていた風音が、不自然なくらいに急に止まった。
 それだけではない。雲も動きを止め、木々もざわめくのをやめた。
 寒い。
 気温が一気に五度くらい下がった感覚だ。

(な、なんだ?)

 空を見上げる。空気が、世界が・・・。

 動きを、止めてしまったみたいだ。

「白恋中から、さっき連絡が入りました。吹雪さんが、消えた・・・そうです」

 春奈が、呆然としている俺たちに告げた。
 何が起きているのか。
 何も確信がもてないまま、俺は黙って動きを止めた時計の秒針を見つめていた。