二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【とんがりボウシ×イナイレ】 魔法界へのトリップ ( No.29 )
- 日時: 2012/09/13 18:04
- 名前: メロンソーダ ◆cSJ90ZEm0g (ID: nWEjYf1F)
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半田〜フェリシダ王国 レーズンタウン「家」にて〜
勉強というものは、どこの世界でも変わらない。すごくめんどくさくて、すごく難しい。
そりゃあ、確かに魔法を習うのは楽しいし身についていく自覚ができるからおもしろい。ドルイドン先生にも褒められたし、魔法使いとしての可能性が開けてきたのは事実だ。しかし・・・
数学だけは、どうしようもならない。
忌まわしいことに、この世界にも数学は存在した。魔法語(俺たちでいう国語)を教えるリカルド先生は数学も教えており、そのレベルの高さときたら、高校・・・いや大学に及ぶのではと思えるくらい高かった。頭のいいヒロトや吹雪を悩ますくらいだから、俺なんかに解けるわけがない。
結局、リカルド先生に頼み込んで、俺たちは放課後簡単なレベルの数学を簡単に教わることでしのいだ。
新しい友達の中には、俺たちの仲間にそっくりな人物がクロードやカーチェス以外にもいた。
「水の国」アクアブール王国の王女カチェリーナ=アクアブールは春奈にそっくりだったし、「銀の国」アディラス王国の王子カミナ=アディラスは風丸にそっくりだった。クロードの幼馴染だという「緑の国」エルメード王国の貴族リリア=ヴェルヘルムは秋によく似ていた。
しかし、髪の色はいずれも本人とは違っていた。
さて。
数学の授業を終え、家に帰った俺たちの視界に飛び込んできたのは、やたら落ち込んだ様子の緑川と少林の姿だった。
「どうしたの?」
ヒロトの問いに緑川は
「釣りに失敗した・・・」
と蚊の鳴きそうな声で言った。
「え・・・い、いやあ、そういうこともあるって!」
「自分の浅はかさに気付きました・・・」
少林も顔をうつむけたままぼやいている。
どうしたものかと俺と吹雪が顔を見合わせたとき、突如外が真っ暗になった。
「!?」
窓を見ると、黒い雲がとてつもないスピードで空を・・・いや町全体を覆っている!!
「なんだ!?」
慌てて外に出る。
直後、俺は目を疑った。
赤紫の空。町の背後で怪しく輝く・・・太陽?
まだ夕方にはなっていないはずなのに。
町全体の景色が、一変していた。