二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【とんがりボウシ×イナイレ】 魔法界へのトリップ ( No.34 )
日時: 2012/09/28 16:09
名前: メロンソーダ ◆cSJ90ZEm0g (ID: 1u4Yuzgf)

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 ???〜異世界「とある場所にて」〜

 ついに、人間界があのお方のものになるのか。今思えば、長い道のりだった。
 半年前から本格的に始めていた「異世界解放実験」は成功し、今までの報告では既に9人もの人間が異世界に飛ばされているらしい。まあ、おそらく彼らはよほどの噂好きなのだろう。こちらから人間に催促するようなことはあまりしなかったにも関わらず、得体の知れぬ扉に足を踏み入れたのだから。

「ご苦労だったね」

 目の前の紳士が、私に優しく語りかける。

「現時点で魔法界に飛ばされた人間は9名。十分すぎるくらいです」

 私は彼にそう報告した。

「『材料』はもう決めたのかい?」

「それは・・・まだ・・・彼らの魔力がどれくらいのものなのか、判明していませんので」

 もっとも、人間に期待などしていないが。
 しかしこの方は、「実験台」として、「材料」として、魔法界にいる人間のうち2人を連れてくるよう私たちに命令してきたのだ。
 彼の目的など知る由もない。でも、別にどうでもいい。
 私は、彼のために存在する「道具」に過ぎないのだから。

「もう少し、彼らを監視しましょう。それから最も優れた材料を貴男に提供いたしますわ」

 私がそう宣言すると、彼は穏やかに微笑んだ。