二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【とんがりボウシ×イナイレ】 魔法界へのトリップ ( No.35 )
日時: 2012/10/02 16:36
名前: メロンソーダ ◆cSJ90ZEm0g (ID: 1u4Yuzgf)

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 半田〜フェリシダ王国 レーズンタウンにて〜

 あの奇怪な現象から丸一日がたった。
 あの日、恐ろしさのあまりずっと家に閉じこもっていたとクロードに話したところ、返ってきたのは大爆笑だった。「あれが不思議時間だよ!」とやっとのことで説明してくれたのは笑いがおさまってから数分後。

「不思議時間はさ、すっごく珍しい生き物がわんさかいるんだ。みんな競って釣りをしたり、虫取りをしたりしてるよ。それなのに怖くて家にいたとか・・・サイコ—だね!アハハハハ!!」

「うっせえな。知らなかったんだから仕方ねえだろ」

「まあ、そうなんだけど」

 もう不思議時間のときは家にいないようにしよう。そう心に決めた俺は話題をそらそうとした。そのとき。

「クロード!クロードはいるの!?」

 突如、教室にリリアが入り込んできた。・・・彼女、クラスがちがうのに、勝手に入ったりして怒られないのだろうか。

「? リリア?」

「クロード、校長先生がお呼びよ。・・・あ、半田くん。ちょうどよかった。あなたも一緒に来て」

「? はい?なんで?」

「いいから!」

 鮮やかな緑色の髪を振り乱し、リリアは俺とクロードの袖をつかむと教室を飛び出した。部屋から出る直前俺の視界に映ったのは、唖然としてこちらを見ている吹雪とカーチェスの姿だった。


 半田〜レーズンタウン「展望塔」にて〜

「いったい、なんなんだ?」

 クロードがリリアに訊ねる。しかし彼女は意に介さない。

「・・・着いた。クロード」

「・・・何?」

「不思議事件だわ・・・」

「・・・!!」

 塔に入ると、目の前に校長が立っていた。そして、その隣には・・・背表紙に目と鼻と口がついた赤い・・・本。宙に浮いてるし。

「・・・・・・!!」

 気絶しそうになる俺をリリアが小突く。

「半田くん、クロードくん。大変です」

 校長が言った。