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２０

　？？？〜人間界「稲妻町」にて〜

「・・・時が止まったか」

　私の兄、シートンがつぶやく。
　彼の言うとおり、人間界の「時間」は完全に止まった。風が吹くことはない。雲が流れることはない。鳥が歌うこともない。音一つ立たぬこの空間は、いささか不気味だった。
　しかし、これもまた、あのお方の計画の一環なのだ。

「人間どもも活動を止めたか？」

　兄が私に問う。
　私は「もちろん」と答えたかった。しかし、そうもいかない状況に陥っていたのもまた事実。一部の人間が未だに動いているどころか、この現象に勘付いているのだ。・・・まあ、意識が動いている以上、無理もない話ではあるが。気付かない方がどうかしている。

「全員じゃないわ」

　私は曖昧に答えた。案の定、兄は私の言葉に若干眉をひそめた。

「どういうことだ？」

「見ればわかるわ。ほら、あそこよ」

　そう言って私が指差すは


　雷門中