二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.104 )
- 日時: 2012/10/04 00:40
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
第三十二話 お互い初めての経験ってやつだ
「ふぁ〜あ・・・眠い・・・」
あくびしをしながら自分の教室に戻るべく、廊下を歩く世路神 骸。ついさっき中二の奴にお昼寝を邪魔されて中途半端に眠たい状態なのだ。耳にあるヘッドフォンから流れる目覚ましに、とかけているノイズ音さえも小鳥の囀りみたいに心地よく聞こえる。そのせいで、世路神の目はトローンとして、若干足取りがおぼつかずない様子。
その時、
ガッシャーン
ドシャ
ドーン
と鈍い何かが壊れたり、何かが爆発したりする音が聞こえた。ヘッドフォン越しでもその音は世路神の耳に届く。世路神はヘッドフォンを外し、音のした方をまた聞こうと耳を澄ました。すると、それを待っていたかのようにまた効果音が鳴り出す。
「うん、実に聴き甲斐がある良い音だ!」
微笑みを浮かべてこの効果音をジャッジし始めた。音が鳴り止むと世路神は腕を組んで何か考え始めた。すると、
「だが、やっぱり足りないなぁ・・・」
不満の声を漏らすように溜め息混じりにそう呟いた。「やっぱり・・・」とそう付け加えながら指を立てて、
「人の悲鳴がないとなぁ!」
そう怪しげに笑うと、音のする方へと歩み寄って行った。壁越しからその様子を世路神は覗いた。そこにはボロボロの制服を着た男たちが向かい合ったまま臨戦態勢に入っている状態に見える。敵はざっと数えて5、6人位だ。そのような光景に世路神 骸はニヤリと笑った。
「聴けるかな?君たちの悲鳴」
その問いかけに答えるかのように、彼らたちは闘い始めた。一人は金属バットを使って殴りあったり、もう一人は太刀で斬りあったりとかもう一人はスキルを使ったりと色々な闘いを繰り広げられているが、なかなか決着が着かない。それどころか、悲鳴と呼べる音さえも聞こえない。そんな予想外の光景に世路神は軽く溜め息を吐いた。
「ガッカリだヨ。こんな闘いだと全然声が聞こえないし、仮に出たとしてもそう大したもんじゃないだろ」
世路神は立ち上がって、教室に戻ろうと足を進めようとした。その時、ある考えが自分の頭に過ぎった。世路神は再び怪しげな笑みを浮かべると、
「あの手があったな〜・・・」
彼ら無能の六人は、必死に相手の出方の探り合いをしながら攻撃を仕掛けている。その中の一人、ある男が金属バットを振り上げ、相手に殴りかかろうとした時だった。男は突然、振り上げたバットを自ら落とし、一旦ダラーンと体を前に垂らしたと思ったら、制服の裏から『何か』を取り出した。彼の手にしていた物はカッターナイフ。指と指の間にカッターナイフを入れた状態で計八本を所持している。彼は不気味に笑いながら静かに口を開いた。
「え〜どうも、マイナス13組の世路神と言いまーす」
その瞬間、他の五人が一斉に無能の生徒(世路神が取り付いた生徒)に視線が集まった。
「え、アイツ(無能)俺たちだよなぁ・・・」
「何言ってんだ?壊れたか・・・」
とまぁ、こんな感じで無能の生徒は彼を見ながらブツブツと呟き始めた。世路神がニヤリと笑う。
ズシャッ
そんな効果音と共に飛び散る鮮血の赤。その血の出所は、無能の一人でさっきまで世路神が取り付く前の男と闘っていた彼だ。肩から血がドクドクと流れ始めている。
「うっ、うぐあああああああああああっっっ!!」
彼は倒れ、肩から流れる血を押さえて絶叫し始めた。幸い傷は浅い物の、血が物凄い勢く止まらない。世路神はカッターナイフに付着した無能の生徒の血液を見るや否やペロリと舐め取って、満面な笑みでこう言った。
「良いね、その声が欲しかった!」
お次はと言いたそうに、倒れている彼の横に突っ立ってる太刀を持った男の方に目を向けた。男は自分が狙われていることを察したのか、手に持っている太刀を前に構えた。だが、遅い。気づいた時には、男の目の前に血が宙を舞っていた。勿論自分の血だ。
「クソガァァァァァ!!」
そして、痛みもあとに続いてやって来た。痛みのする所を見ると、腕が真っ赤に染められていた。だが、これだけの痛みと出血なのに傷が浅かった。
「良い絶叫だ!さ、どんどん行こう!!」
こんな調子で世路神は残りの無能をあっという間に地獄絵図みたいな風景にまでにした。存分に悲鳴を味わった世路神はスッキリ爽やか!と言うような感じのオーラを纏っている。世路神はそんな余韻に浸りながら彼は足を動かした。
ペチャッ
と水溜りを踏みつけるような音がした。て言うより、水溜りを踏みつけている。真っ赤な色をした。だが、世路神は爽やかな笑顔を浮かべたまま何の表情も見せない。
「オー、こんなミステリアスのない殺人現場初めて見た〜」
突如、無能の生徒(世路神)の後ろから声が聞こえた。世路神はゆっくりと振り向き、爽やかな笑顔を相手にも見せつけた。そこにいたのは、本で顔を隠しながら、全身を白衣に身を包んだいかにも科学者っぽい人が現れた。
「僕も君と言うミステリアスな存在を初めて見たよ」
世路神は陽気な声で覆面男ならぬ本面男に返事を出した。
「そうか、お互い初めての経験ってなわけだ。僕は榑林 秤(くればやし はかり)。よろしくお願い致します。」