二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.13 )
日時: 2012/08/17 15:16
名前: シャオン (ID: Wz7AUOMy)
参照: http://http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

 

 第五話 デパートにゴー!

 買い物と言うのは、生活する上で最も必要な儀式である。で、その儀式を行う者がいた。デパートの食品コーナーで1人、アイスの箱を片手に考え込む無心がそこにいた。どうやら、商品の値段で買うか否か考えているようだ。

 「8本入りで950円かぁ・・・高いなぁ・・・」

 難しい顔をして、商品をただじーと見ている無心。

 「おっ、棉柄!こんな所で何してんだ?」

 陽気に無心に話しかけてくる人がいた。無心は、クルッと呼ばれた方向に身体を動かした。そこには、爽やかな笑顔でこちらを見ている八尾図の姿があった。

 「買い物だよ、そう言うお前もこんな所で何してんだよ」

 無心は手に持っている籠を八尾図に見せて言った。八尾図は、苦笑いをして応える。

 「いや〜な、母さんが風邪引いちまってさぁ、お粥を作るための材料を買に来たんだよ!」

 全く家の親は困るぜ〜と八尾図は呟きながら頭を掻いた。その時、無心の中で、何かが沸いてくるのを感じた。その何かが無心の心をじわじわと締め付ける。

 「そうか、風邪が早く治ると良いな」

 「おう、サンキューな!」

 八尾図はそう言うと、その場を離れて行った。八尾図が無心の視界から消えると、今まで抑えていた苦痛が一気に込み上げる。

 「クソッ、あの時の事は忘れるって決めたのに・・・」

 無心は顔をしかめながら、胸の辺りにある服の布地を握った。

















 あれからしばらく時間が経ち、状態がやっと落ち着いた無心は、ベンチに座っていた。横には目的の物が入ったビニール袋が置いてある。

 「はぁ〜毎度毎度この発作みたいな物には悩まされるぜ・・・」

 無心は、パーカーのポケットから長方形の箱を取り出した。パッケージを見るとやはり甘い物関係。封を切り、箱の中から小粒のチョコレートを取り出し、それを口に運んだ。物を口に運びながら無心は色々な買い物客を見る。中年のおばさんが品々を品定めしている所とか、自分と同い年位の女の子がレジに品を持っていく様子とか覆面の男達が銃を片手に振り回しているとか。

 「・・・銃?」

 その瞬間、デパート内に乾いた銃声が鳴り響いた。当然の事ながら客は一気にパニック状態になる。出口に向かおうとする者や怖気ついてその場に座り込む者、自分の置かれた状況に理解が出来ない者などが続出していた。

 「オラオラッ、静かにしやがれクズ共!大人しくしろ!」

 銃を天井に向け、バンバンと乱射する男達。そのリーダー格と思われる男が大きな声を挙げて客全員を脅迫した。

 「ここのデパートに来ている客共!良いか、ここのフロアは我々「黒ヒョウ」が制圧した!命が惜しかったらこのフロントに集まれ!」

 無心に残された選択は二つ。大人しくあの場に行って、救助を待つか。それとも、このまま黙って隠れて逃げるか。当然、無心の決断はこれに決まっている。

 「仕方ないから捕まってやるか」

 無心は食べかけのお菓子をポケットの中にしまい、そしてビニール袋を持ち、素直にテロリストに言われた場所に向かった。

















 無心視点

 どうもみなさん。俺、捕まりました〜。わ〜すごい、こんな経験滅多にないよ〜手足も縛られてるし〜(棒読み)。周りの捕まっている皆さんも泣いたり沈黙してたりしてるし、色々大変だな・・・

 「おい、携帯をよこせ」

 椅子に座っているボスっぽい男が部下に命令にしている。部下の1人はテキパキと自分のポケットから携帯を取り出して、ボスに携帯を手渡した。ボスのような男はその携帯を受け取り、何処かに電話をかけてる。

 「箱庭デパートは我々「黒ヒョウ」が乗っ取った!人質もいる!人質を解放して欲しければ100億用意しろ!タイムリミットは1時間!もし、1秒でも遅れたら、人質を5分ごとに1人殺す!良いな!」

 あ〜なんか一方的に喋りだしたよ。しかも、この展開から言って絶対警察に電話かけてるな・・・あっ、電話切った。それにしても・・・さっきから人のすすり泣きの声に混じって笑い声が聞こえるような・・・


 「あなた、普通じゃないよね」

 俺の耳元から誰かが話しかけてきた。俺はテロリストに気づかれないように後ろを振り向いた。おいおい・・・両目に眼帯って・・・。
 そこには、どっかの学校の制服を着た、紫色の髪をした女の子がニヤニヤと笑っていた。

 「お前も普通じゃなさそうだな」

 外見からして・・・。

 「まぁ、そう言わないでよ。それより面白いものが見られるよ〜・・・」

 何を言ってるんだ?こいつ・・・

 「う、うわーーーー!!」

 ん?何があった?何かテロリストの内の1人が頭を抱え込んで倒れたぞ

 「お、おい!どう・・・うわーーー!!」

 声をかけた仲間の1人もさっきの男のような状態になった。そして、テロリストの男達はどんどん謎の悲鳴を挙げだした。最後に残るは、オロオロと事態を飲み込めないボスさん。そんな様子がおかしいのか、クスクスと笑い出す女の子。

 「悲鳴はどんどん連鎖反応を起こす。今回は良い音楽が聴けそうね。この「鎮連歌チェーンソング」で。」