二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.23 )
日時: 2012/08/18 19:26
名前: シャオン (ID: Wz7AUOMy)
参照: http://http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode



 第八話 雑談しよう!
 
 13組、箱庭学園だけに存在する特設クラスのこと。そこに通うのは1年13組である棉柄無心だ。基本、13組の生徒はこの箱庭学園に登校義務はないのだが、無心は家にいてもつまらないと言う事で、いつも登校している。

 「はぁ〜結局教室に着いたは良いが・・・やることないんだよな〜」

 誰もいない静かな教室で無心は自分の席に、もたれこむように座った。教室の窓から入る日差しが暗い教室を明るく照らす。何だかんだ言って、無心もこの何も起こらない事に満足している。これぞ平和・・・何もないし、何も起こらない・・・。無心にとっては最高のシチュエーションなのだが・・・

 「おお、棉柄1年生。貴様、来ていたのか」

 誰もいないはずの教室に無心を呼ぶ声が聞こえた。無心はこのしゃべり方で誰かが一瞬で分かった。無心ははぁ〜と溜め息をついて自分を呼んだ者の方へと顔を動かす。教室の出入り口辺りに、無心ののクラスメイトであり、現生徒会長である黒神めだかが両手を腰に当てて立っていた。

 「おお、黒神。久しぶりだな」

 「ああ、そうだな」

 黒神は無心の前の席へと移動して、彼の方へと席を回転させて着席した。

 「いや〜こうして貴様と話すのも懐かしく感じるな。どうだ、最近何か変なことでも巻き込まれてないか?巻き込まれていたならすぐに私に言え。それか、目安箱に投書するのだぞ」


 黒髪は愛想の良い顔で無心に語りかける。無心は無心でまるでこの作業に慣れてるかのように、適当に相槌をうって制服の中からポッキーの箱を取り出す。

 「そう言えばお前、選挙あるらしいじゃん。大丈夫なのか?」

 無心はそう言うと、さっき制服の中から取り出したポッキーの箱を開封して、中の包みを取り出した。そして、包みを破いて中のポッキーを一本取り出して、口へと運んだ。ポキッと良い音を鳴らしながら用済みの箱は自分の机へと置いた。

 「ふっ、私は今とても嬉しいのだ。守られてばかりの善吉が、今こうやって私に戦いを仕掛けているのだからな!」

 無心は、ポッキーを一本食べるとまた次へと手が袋に進んでいく。

 「しかし・・・お前怖くないのか?負けることに」

 ポッキーをボリボリと食べながら、嬉しそうな表情をしている黒神に尋ねた。黒神はその表情を保ったまま口を開いた。

 「人は負けを意識した時点で負けになる。だからと言って、あまり勝ちにこだわるとつまずく・・・」

 黒神は目を閉じて色々な思い出を思い出しているかのように語っている。無心は、ただ黙って聞いている。・・・ポッキーを食べながら


「だから私は何も思わない。勝負事にそんな勝ち負けを忘れて楽しみたい!」


 黒神はそこで笑顔を見せて言った。まるで短い演説を聞いていたかのように無心はパチパチと拍手を送った。

 「何だよ、その名台詞じみた話し方は〜。感動のあまり涙が出るじゃねぇかよ〜(棒読み)」

 無心は無表情でそう言うと、手をまたポッキーの方へと進めていく。

 「ふっ、貴様のその棒読みを生徒会長在籍中にあと何回聞けるのかな」

 「たぶんこれが最後だ、黒神」

 無心はまだ長さのある食べかけのポッキーを一気に口の中に放り込んで言った。無心はボリボリと口の中で音を鳴らして、物を飲み込むと、笑って見せた。

 「貴様もそちら側か、それより貴様が笑うところなど、初めて見たな」

 黒神は微笑んで無心を見た。

 「残念ながらこれは作り笑いだ。以前にも作り笑顔を見せたことがあるんだが・・・やっぱりキツイな・・・」

 無心は元の表情に戻して、手で口元を動かした。その瞬間、無心の中でドクンッと何かが脈打った。

 「ク・・・クソォ・・・来やがった・・・」

 無心の掠れた声が出てきた。・・・発作だ。無心の過去の記憶による発作が始まった。無心は苦痛に表情を歪ませ、胸の辺りを押さえて頭を机に乗せた。

 「お、おい!どうした、棉柄1年生!」

 黒神はただ事じゃないと感づき、席から慌てて立ち上がり、無心の身体を揺すった。

 「だ・・・大丈夫だ・・・・すぐに・・・収ま・・・」

 無心は、そう言いかけた時、胸を押さえていた手はだらーんと垂らした。それを見た黒神は、慌てて無心の身体を背中に乗せて、物凄い勢いで保健室へと向かった。

















 「この化け物!」
 
 ドカッ


 「死んでしまえば良いんだ!」

 バキッ


 「こっちに来ないで!」

 ボコッ


 「殺してやる!殺してやる!」

 ズシャ
 





 「やぁ、ひどいめにあったね、君。ぼくの名前かい?ぼくは・・・」