二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第二話 ( No.19 )
- 日時: 2012/08/26 15:19
- 名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)
「………」
あの時の事を思い出して、俺は肋骨の辺りを抑える
今でもたまに痛むんだ
「…まだ痛むのか?」
龍崎先輩は言った
「はい…」
俺はうなずく
あの時、俺は龍崎先輩と保健室に行った
『肋骨にひびが入ってます』
先生にそう診断された
『次の試合は確か明後日、…出られますか先生』
『折れる寸前の深いひびです 安静にした方が良いでしょう』
『そう…ですか』
次の試合には、勝敗指示は出ていない
だから勝つか負けるか分からない
『…いや雅野、試合に出ろ』
『え…?』
『初めての試合だろ、自分よりできないやつがGKで出られても嫌だろ』
『でも俺は…まともにGKができるかどうか…』
『しなくていい』
『え?』
『俺がボールをゴールに近づけさせない』
本気なのか?この人…
俺はこの時そう思っていた
そして明後日の試合がやって来た
鬼道監督には、俺が怪我したことを伝えてない 伝えたらきっと、試合に出させてもらえないから
肋骨の辺りが痛いのをこらえながら、俺はゴールの前に立った
相手は帝国と同じくらいの実力の翡翠川学園
はじめは帝国が点を入れた
まだボールはこちらに来ない
痛みで顔をしかめながら俺はボールを見ている
そして後半戦、ボールは翡翠川学園に渡った
乱暴なプレーでどんどんボールは俺に近付いてくる
俺はキャッチの体勢に入る
『行かせるか!』
すると龍崎先輩は化身を出現させた
『竜騎士テディス!』
そして龍崎先輩はボールを奪った
少し俺はほっとした
『…なんでだよ』
俺は呟く
今まで、俺の事を本気で考えてくれる人なんて見たことがなかった
でも、龍崎先輩は違う
俺はそう確信した
そして試合終了のホイッスル
帝国の勝利だ
本当に龍崎先輩はゴールにボールを近づけさせなかった
龍崎先輩なら…信じられるかもしれない
「雅野どうした?」
そう言われ、俺は我に帰った
「いえ…」
「…痛いのなら無理はするなよ」
「………はい」