二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第二話 ( No.7 )
日時: 2012/08/07 19:50
名前: 時橋 翔也 (ID: NihAc8QE)


次の日の朝、狩屋はいつも通りの時間帯に家を出た
今日は朝練がないはずだ

まずいな…宿題やってねー…

そんなことを考えながら歩いていた

次第に河川敷に近付いてくる 途端に狩屋は昨日見た記事を思い出した

『河川敷事件』

「まぁ俺に関係ねー…」
そう呟いた時だった

黄色いテープが貼られた事故現場の目の前に、一人の少年が立っていた

後ろ姿で顔は分からない
半袖短パンの軽快な服を着ていて、手にはサッカーボールを持っている

誰だろ…

「狩屋!」
すると後ろから声がした 剣城だった

「剣城くん…」
「立ち止まってどうかしたのか?」
「あそこにいるのって…」
そう言いながら狩屋は事故現場を指差す

だが、先ほどの少年はもういなかった

「…あれ?」
おかしいな…

「誰かいたのか?」
「あそこに少年が立っていたんだ」
「…少年…」
剣城は呟いた

——————

「…それってさ」
「幽霊じゃね?」
放課後、サッカー棟の一軍の部室で狩屋に神童と倉間は言った

「幽霊ってホントにいるんですか?」
「いると思うぜ」
霧野は言った
「幽霊…怖いですね…」
「悪霊退散!ってお札持ってけばいいんじゃね?」
浜野は速水に言った
「天馬と信助遅いね…」
「掃除当番だとよ」
剣城は言った

「幽霊なら…見てみたいな」
すると車田は言った
「取り憑かれたら嫌だド」
「おいおい危険じゃないか?」
天城と三国は言った

「狩屋、どんな少年だったんだ?」
神童は訪ねる
「何て言うか…茶髪でボサボサの髪で、白いTシャツに短パンの、俺たちと同い年位の少年です」
「足はあった?」
「そこまで見てないです」

その時だった

「うわああああ!!」
サッカー棟の外から声がした

「何だ?!」
剣城は声を上げる
「…行ってみよう」
部員達は部室を出ていった

——————

声は第二グラウンドの横の道路からだった
「くっ…」
男子生徒が足を抑えてうずくまっていた 足からは赤い血が流れている

その男子生徒の目の前には、天馬がいた
「天馬!」
部員達は天馬に近づく
「何があったんだ?」

「そ…そいつに…足を思いきり…」
男子生徒は言った
「え…?」
「サッカーバトルしようってそいつに言われて…そしたら…」

「ち…違う!!」
天馬は声を張り上げた
「サッカーバトルを頼んだのはそっちだよ!」

「天馬!…お前そんなやつだったのか」
倉間は吐き捨てた
「サッカー部員なら汚いラフプレーしない!」
車田は言った
「え…ちょっと皆さん…」
「行こうぜ速水、…最低だな天馬」

「何で…」
去っていく部員たちを見て、天馬は呟いた