二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.10 )
日時: 2012/08/20 14:17
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

     第六輪 -僕の力は-


 前を見ると、輪で出来た者はもう消えていた。かわりに、皆の悲鳴が聞こえてきた。

「よ、妖怪・・・・・・・・・ッ」

 清継のその言葉に反応して、視線を移す。ソコにはガゴゼの部下がいて、みんなを襲い始めた。

「あああああああああああああああ」

 持っている鎌に輪を通し、後ろに下がる。ガゴゼ達から見事に鎌を取ると、後ろから奴良組本家の妖怪達がいた。

「!?」
「おほ・・・・・・見つけましたぜ、若ァ。生きてるみたいですぜ」

 青田坊、大ムカデ、黒田坊、雪女。みんな勢揃いだった。そしてその先頭に立つのが・・・鯉伴さんのように横に長い髪をした半妖。覚醒した奴良リクオがいた。

「リクオ・・・」
「・・・・・・・・・ガゴゼ。貴様・・・なぜそこにいる?」

 いままでのリクオの面影はそこにはなかった。人違いと思えるほど、180度変わっていた。姿も声も性格も、何もかもが。

「よ〜〜〜しよし。もう大丈夫だよ」
「やめろ。おめーらは顔コエーんだから」

 リクオは何かカナに言ったが、流石に聞こえなかった。リクオと眼が合って、その後その視線は輪へと移った。こっちにむかってくる。

「随分変わったね。三代目」
「無事で良かった」
「そんな簡単に死ぬ程雑魚じゃない」

 リクオはガゴゼの方に行って、軽い挑発をした。それからガゴゼの部下達が襲ってきて、奏と背中を合わせる。

「もしかして怖い?」
「それもだけど・・・嫌だよ。仲間同士でやりあうなんて」
「・・・誰がやるって言った」
「え?」
「俺はやらない」
「友達が狙われたんだよ!?」
「それ以上何も言うな」
「え?」

 ・・・それ以上何も言わないで欲しい。今度こそ嫉妬してしまう。僕より奏に大切な人が出来てしまうのが怖い。僕はずっと奏の隣に居たい。だから・・・誰とも関わらないで。僕を一人にしないで。

「・・・ゴメン、丕」
「何が」
「後!」

 奏は僕の考えてる事はわかってる。でも僕は・・・嫌なんだ。
 後にはガゴゼの部下が押し寄せてきた。鋭い刃を持った鎌を振り上げて来た。でも雪女が凍らせて、なんなく助かった。

「ありがとう、雪女」
「ご無事で何よりです。丕様、奏様!」
「・・・」

 奏が誰かに取られるなんて・・・もう二度とあってはいけない。

「丕」
「何?」
「みんな凄いね」
「・・・奏は」
「え?」
「なんでもない」

 奏は僕の事、弱いと思ってるのかな。そりゃ・・・あんな事あって。強いって思ってくれるワケないか。