二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.11 )
- 日時: 2012/08/21 15:27
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第七輪 -輪交繋の-
ガゴゼは追い詰められていた。部下が次々と倒れていく中、ガゴゼ一人だけ無傷だった。そんな時、三人が狙われた。リクオと仲が良いカナと、清継、島が。
「こいつらを殺すぞ!?若の友人だろ!?殺されたくなければオレを・・・」
後ろから何かが三人に向かって走っていった。白銀と漆黒が混ざった綺麗な髪を靡かせて、刀を立ててガコゼの顔の中心を切る。血が噴射しても、幼い妖怪の主は恐れない。
「若!?」
「なんで・・・なんで・・・。貴様のようなガキに・・・。ワシの・・・ワシのどこがダメなんだ—!?妖怪の誰よりも恐れられてるというのに——!!」
・・・子を貪り喰う妖怪はおそろしい。でも、弱い者を殺して悦にひたってる妖怪が、世界で一番の「おそれ」になれるはずはない。
「情けねぇ・・・こんなんばっかか。俺の下部の妖怪どもは!・・・だったら!!」
態度は急変してる。言い方や正義感は、人間時のリクオとはやはりかけ離れていた。
「オレが三代目を継いでやらぁ!!人にあだなすような奴ぁ、俺が絶対ゆるさねぇ」
「若・・・」
「・・・リクオ」
「世の妖怪どもに告げろ。オレが魑魅魍魎の主となる!!全ての妖怪は、俺の後ろで百鬼夜行の群れとなれ」
最後にガゴゼをまっぷたつに切り裂き、宣言した。これで将来人間生活に満足するような奴にはならないだろう。きっと俺達妖怪の為に・・・尽くしてくれる筈だ。
ドサッと誰かが倒した音がして、眼を開ける。リクオが煙を出して地面に倒れていた。妖怪達はみんなリクオを囲み、奏もその中に入っていった。どうやら人間の姿に戻っただけだったらしい。
僕だけ先に帰って、ぬらりひょんの所に行く。輪を手に入れたことや、輪で出来た妖怪の事・・・。話したいことが山ほどある。
「何が言いたいのかくらいわかってるわい」
「・・・リクオ、かっこよかったよ」
「ワシの孫じゃからの」
「・・・この輪、体中が輪で出来た奴に貰ったんだ」
「!!・・・そうか、もうそこまで行ったか」
「ねぇ、教えてよ。僕達は何者なのさ」
ぬらりひょんはお茶を三口飲むと、深いため息をついた。話したくないんだな。でも僕は知りたい。自分の事を知らない事ほど、辛い事はないんだから。
「お前達は、できちゃったんじゃ」
パカッと口を開け、笑って人差し指を立てるぬらりひょん。・・・できちゃった?それは・・・。
「アンタは遊び人だったってことか」
「最初に輪交繋と出会ったんじゃが・・・失踪してのぅ。お前だけが見つかったんじゃ」
笑って過ごすぬらりひょん。気にかかった言葉は「失踪」輪交繋に何があったのか、聞けば聞くほど謎は増えてくる。