二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.13 )
日時: 2012/08/23 11:09
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

     第九輪 -崩れる図-


 晩御飯は、いつも妖怪達と食べることになっている。もちろんリクオや奏もいる。・・・でも最近は一緒に食べていなかった。奏の隣に居ることを恐れていた。でもみんなから、今日は絶対来てと言われ、行くしかなかった。

「丕様が来たぞ!」
「ホラ皆、位置について!」

 障子を開けたら、みんなが綺麗に並んでいた。その中心には、リクオと奏。みんなが満面の笑みでこっちを見ていた。

「・・・何」
「コレ、開けてみて」

 奏が差し出したのは、白い箱だった。開閉出来るようになっていて、リボンを外して開けると、僕の好きなイチゴのショートケーキが入っていた。一体何がどうなってる。

「最近、丕元気ないでしょ?だから皆、丕を喜ばそうって張り切って。みんなで作ったんだよ、このケーキ」
「・・・元気がないワケじゃないよ。ただ・・・」
「ただ?」
「・・・・・・なんでもない。作ってくれてありがとう。でもお腹いっぱいだから」

 断って立ち去ろうとすると、後ろからリクオに呼び止められた。

「一時間くらい後、学校の旧校舎にみんなが集まるんだ。丕も来ない?」
「・・・嫌だ」

 学校に旧校舎があるのは知らなかったな。何故夜中に集まるんだ。妖怪探索か何かか。

「私も行くよ」

 その言葉に、耳が少し動いた。奏が行くのか・・・妖怪探索に?怖がりの奏が?・・・そう思うと、心配になってきた。振り返って、改めて返事をする。

「行くときは部屋に来い。行くから」

 二人の返事も聞かずに、僕は立ち去った。和服からパーカーの服に着替え、髪を結び直す。物心ついたころから、髪は長くて結んでいた。ぬらりひょんが元々長かったそうだし、リクオの妖怪時も長かった。・・・似るもんだな、親子って。

「丕、行こ。そろそろ皆集まると思う」
「わかった」

 奏は僕と同じ茶色の髪を伸ばしている。雪女よりは短いが、結ぼうとはしない。いわゆる家長みたいな感じかな。でもアイツよりは長い。
 旧校舎ではなく高速道路の下で待ち合わせだと。鳥居と巻は用事があって来ないらしい。

「あ、丕くん。久しぶり」
「・・・」
「よし・・・そろったね。メンバーは8人か・・・」

 清継、島、家長、リクオ、僕、奏、知らない女子と男子。計八人だった。いや、知らない男女じゃない。どっかで見たことある顔だ。明らかにあの二人に似ている。リクオが気付かないのがおかしくてたまらない。

「丕、手つないでいい?」
「・・・いいよ」

 久しぶりに繋ぐ、触れる奏の手は冷たかった。ひんやりとしていた。それは僕等の関係を意味しているのかもしれない。