二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.14 )
日時: 2012/08/24 14:00
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

     第十輪 -良い気分-


 旧校舎の中は、妖気で充満していた。普通の人間やリクオはわからないが、僕等にはわかる。昔の妖怪じゃなくて、若い・・・現代の妖怪。

「丕・・・妖怪いる?」
「いないよ」
「だって妖気が・・・」
「それ僕の」
「あ・・・そうなの?」

 背中にしがみついて、眼を強く瞑る。僕の妖気じゃないけど、怖がらせたらいけない。
 タンスを開けると、赤ん坊くらいの大きさが入っていた。こっちを見て、笑ってくる。取りあえずグーで殴って気絶させて、タンスを閉める。・・・気持ち悪い妖怪だな。

「ねぇ丕・・・」
「酷い顔だぞ」

 膝に手を置いて、ゼェゼェ深呼吸するリクオ。多分妖怪を退治・・・殴っていたんだろう。酷い有様だ。

「妖怪多過ぎだよ・・・丕も手伝ってくれない?」
「言われなくてもやってるよ。・・・別にもしもの事があったらゆき・・・。夜の姿になれよ」
「ゆき?・・・そんな簡単になれるものじゃないんだよ。それにみんなに危険が」
「みんな何てどうでもいい。僕が大切なのは奏だけだ。お前等なんてどうでもいい」
「そんなの・・・」

 何も知らないくせに。奏がどれだけ辛いめにあったのか。僕が今どれだけ苦しいのか何もわからないくせに。なんなんだよ。
 食堂に入ると同時に、ペチャペチャと音がする。島がライトを当てると、五人程妖怪がいた。囲まれているのは骨が見える野犬で、貪り食っている。

「・・・・・・・・・え?」
「どうする?リクオ。襲ってきたよ」

 髪の長い妖怪はハサミを持って。ハゲの妖怪は口を大きく開けて襲いかかってきた。鍋にでも入れられて調理されればいい。お前等がどうなろうが・・・。・・・・・・・・・・・・・・・。

「リクオ様。だから言ったでしょ?」
「お前が継がなきゃいけねーんだよ」
「え?」

 後ろからは女子に化けてた雪女と男子に化けてた青田坊。そして僕も輪を取り出して、妖怪達を凍らせ、殴り、突き刺した。

「こうやって若い妖怪が、奴良組のシマで好き勝手暴れてんだよ」
「うせな。ここはてめーらのシマじゃねえぞガキども」

 青の一言で、妖怪達は逃げた。その時に清継と島の気絶してる姿が見えて、だらしなく見えた。

「もう大丈夫だよ奏」
「ううん・・・出るまで嫌だ」
「・・・」

 正直言うと、離れて欲しかった。いつまでもくっついていると、心までくっついてしまいそうで。

「・・・帰ろうか、皆。青、清継達よろしくな」

 今日は良い気分だ。・・・久しぶりに明日、学校に行ってみようかな。