二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.16 )
- 日時: 2012/08/26 19:13
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第十二輪 -追い続け-
「・・・どこいった」
おつかいを、若菜さんに頼まれた。それもすぐ消える鯉伴さんと僕等二人。ずっと手を繋いで、ただ商品を眺めてると、はぐれてしまった。
「どうしたの?坊や達」
「・・・」
「お父さんが居なくなったんです」
「おやまあ、大変ねぇ」
一見優しそうなおばあさん。でも、カラス天狗から教わっていたんだ「人に化けて、幼い子供を喰らう妖怪がいる」と。もしかしたらおばさんは・・・。
「迷子センターに連れてってあげようか?」
「本当ですか!?」
「いいです」
「丕?行こうよ・・・」
「嫌だ。カラスから教わったろ」
「絶対違うって。ほら、優しい人じゃん」
だから・・・とため息をついた。一つ幸せが逃げてしまった。・・・奏に押され、しょうがなくおばさんについて行った。でも、いっこうに迷子センターに着かない。
「ねぇおばさん」
「なぁに?丕くん」
「おばさん・・・妖怪やろ」
「・・・」
「丕!?失礼だよ!」
確信したから聞いたんだ。奏を後ろに隠して、睨む。殺気が大量に送られてきて、まるで気づけとでも言わんばかりに。
「・・・小さいのに凄いね・・・輪交繋」
「わ!」
「奏!?」
いつの間にか、奏の手の感触が無くなっていた。後ろを見ると、おじさんが奏を気絶させて抱えていた。ボクも首をおばさんにつかれ、気を失った。
「う・・・」
眼が覚めたら、腕と足を縛られて横たわっていた。首も繋がれていて、身動きがとれない。まるで囚人にでもなったような気分だ。
「起きたかい?ふふふ」
「奏!?おい・・・奏を離せ!!」
奏は、紫色の水が入ったボールの中に入っていた。何か嫌な予感がする。紫色の水・・・あれはただの色水じゃないはずだ。奏に何をしたんだよ。
「お前・・・それは何だよ・・・」
「人にとっては治療。妖にとっては毒だ。これはね・・・妖の「時」を止める水さ」
「妖の・・・時?」
「この水を全身に付ければ、全身はやがて動かなくなる。この水を飲めば・・・臓器がやがて発達しなくなるのさ」
「なんだよそれ・・・速く出せ!!!」
「出してなんになるのさ。出したって、この子が助かる道は・・・」
音がした。窓ガラスが割れる音が。黒い綺麗な髪を靡かせ、百鬼夜行を率いる魑魅魍魎の主。鯉伴さんがソコにいた。
「どうした丕。その面は」
「り・・・は・・・・・・」
「ぬらりひょんかっ!!」
「・・・二人を返してもらおうか」
いつもふざけてる鯉伴さんはソコに居なかった。今いるのは、ぬらりひょんの子、奴良鯉伴。