二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.18 )
日時: 2012/08/28 11:42
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

     第十四輪 -遠野の里-


 友達が来るなんてゴメンだ。って言って家を出たら、もうすでに皆集まっていた。

「遅いぞ奴良く・・・あれ?丕くんじゃないか」
「・・・誰」

 いつものメンバーの中には、学校で職員室を聞かれた女が混じっていた。休日なのに制服というのはどうなんだ。

「紹介しよう!新しく入った花開院くんだ!プロだぞ妖怪の!」

 家を出るとき、雪女が部屋に閉じこもっていた理由がわかった気がする。・・・花開院は、代々妖怪を退治する人々だ。それを妖怪屋敷に入れるとは何事だ、三代目。

「奴良はすぐ来るさ。僕は散歩に」
「何処かに行かないで奴良くんを呼んできてくれ!!」
「・・・」

 何で俺があんな茶髪野郎を呼びにいかなきゃなんねーんだよ。家に入ったフリをして、裏口から出た。向かうのは、里。親父から勧められた、僕に合った里らしい。
 里・・・なのか。というより、これは畏で囲まれている感じだな。どう入れって言うんだ。・・・手紙に書いてあるのは、「畏を使え」何の鍛錬もされてないのに出来るかボケナス。
 何となくイメージを浮かべながら、五つの輪を取り出した。それぞれつなぎあわせて、形を作る。

「畏をどうすんだし」

 使えてるイメージは出てる。何となく畏を輪に移動させるイメージを出して、形作った輪を里の方へ押し込む。

「・・・何だこれ」

 輪の形がスッポリ空間に開いている。これまた里の向こうに里の風景が見えるとは何事だ。どんなトコに俺連れてってんだコラ。

「おお、来た来た。お前が丕か?」
「誰」
「オレは「あまのじゃく」・・・淡島と呼んでくれ」
「・・・で?」
「聞いてねーのか?」
「・・・は?」

 ここは遠野の里。別名妖怪の聖地。そんなトコに、僕は畏を教わるためにここに来たらしい。・・・強くなりたいとは思ってたが、場所くらい自分で決めたかった。

「お前てさ、何の妖怪なんだ?」
「ぬらりひょんと輪交繋のハーフ」
「へぇ・・・。ハーフ!?」
「親父、遊び人だから」
「お・・・おお・・・」

 そんなこんなで、木に囲まれた場所に着いた。現れたのは、淡島以外の遠野妖怪達だった。奴良組よりは少ないんだな。

「オイラは「沼河童」の雨造だ」
「私は「雪女」の冷麗。この子は「座敷童子」の紫」
「オレは「経立」の土彦だ」
「・・・よろしく」

 人混みが多いから、何か嫌な気分だな。しばらくは、こっちで暮すって事だろ?・・・奏がいないと何かさみしいな。