二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.19 )
- 日時: 2012/08/31 18:55
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第十五輪 -違う空気-
何故か無理矢理部屋に連れてかれ、寝た。まだ修行なんてしてないし、夜でも何でもない。取りあえず・・・「寝ろ」とだけ言われた。強引すぎるぞ、この里。
まぁ、たまには人間の世界から離れるのもいいかもしれない。布団をしいて、いつものように寝る。・・・寝れない。蚊が飛び回って寝るどころではない。いや、蛾だ。その前に、部屋が広くなっている気がする。廊下を出て、走っても・・・ただ道が続く。やっと着いたのが、鍵の掛かった扉。
「畏も知らねーんだ、コイツ」
「知ってるわ」
「ほお」
・・・まさかとは思うが。・・・親父が言ってた。鬼憑とは、自らの畏を具現化し、技として昇華させる事だと。・・・畏なんて、妖怪それぞれ決まってる。でも、俺が知るか。ぬらりひょんと輪交繋?・・・死ね親父、クタバレ。
「・・・」
起きた後、親父が畏を発動させて襲ってきた。なんとか怪我をせずに済んだが、親父は笑って言った。
「リクオより成長が早いのう。畏が発動出来るんなら大丈夫じゃろ。丕、遠野に行ってこい」
・・・畏を発動出来るんなら。それなら、あの時無意識に畏れを発動していたのかもしれない。思い出すんだ、あの時の感覚を。刀に集中して・・・切れ。
でも、鍵は壊れない。その時、後ろから蛾が飛ぶ音がする。邪魔だなと切ったら、元の部屋に戻ってた。一体何が何だか。
「遅ぇよ」
「・・・は」
「畏、発動出来るんだな」
「黙れ」
何だ、実験か。
それから何日、何週間掛けて、畏を必死に磨いた。「ぬらりひょん」としての畏を。
「本当に帰るのかよ?」
「輪交繋について・・・僕は何も知らない。知った時、また来るよ」
「来るならもっと畏を磨いてこい」
「・・・今度こそイタク抜いてやる」
密かに笑って、僕は家に帰った。僕が居なかった間、奏に何があったのか、誰がリクオを襲っているのか。今、奴良組は二つの事件が同時に起こっていた。
「・・・ただいま」
「丕くん・・・?おかえり」
無理矢理笑う若菜さんが出迎えてくれた。やけに奴良家は静かで、気持ち悪い。いや、落ち着かなくて・・・嫌な予感がする。
「何があったの」
「・・・え?あ、今日総会なのよ」
「総会以外に何もないですか」
「ないわよ?何も・・・」
「・・・奏は?」
「え・・・。・・・今日は、友達の家にお泊りに行ってるわ」
何かがおかしい。いつもと、奴良組の雰囲気が。空気が。・・・親父に会いたい。今何が起こってるのか。