二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.4 )
- 日時: 2012/08/16 19:07
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第二輪 -妖怪の姿-
自由研究発表会が、このクラスで行われた。どんどん皆は発表し、清継という男子の発表。アイツの発表は、妖怪についてだった。
「こうして子を喰うおそろしい「妖怪」は、陰陽師の美剣士によって退治され、それが鎮社のされたのが今の璞神社といわれています!以上」
・・・清継の答えは正しい。でもリクオは口を開けていた。それもだらしない眼で。
僕は何故か妖怪の知識を良く知っていた。清継が発表したのはその一部でも、全部とは言わないが、あたっていた。でも人間が妖怪を馬鹿にするのが何故か許せなかった。僕は何故妖怪を深く思っているのか。
「えっ、ちょ・・・ちょっと待って!!今の話おかしくない?妖怪って、いい奴らだよ!」
リクオが大声で叫んだ。今の発表は、先生やクラス全員が高評価してる。そんな中その発表に批判するのはいい度胸だ。
「え」
「な・・・何?」
「だよね丕!!」
「・・・」
「え?丕くんも?」
僕が巻き込まれるとは予想範囲だったけど。・・・何で巻き込む必要がある。君は妖怪の血をひいていても、僕は妖怪の血を・・・。・・・妖怪?
「・・・妖怪なんてのは昔の人が作った創作」
「そっかー。さすが丕くん」
「実際いたら怖いしね!」
「ちょっ・・・ちょっと待って!!でも・・・でも・・・ボクんちに」
必死に説得しようとするリクオ。からかうのってこんなに面白いのか。・・・妖怪は人々から恐れられる存在。正体バレたらおしまいって事がわからないのか。僕はあれで一応フォローしたつもりだ。
そのまま授業は進んでいって、帰りの会が終わった。教室に残ったのは、リクオと僕。みんなはバスで帰っていく。
「どうして言わなかったのさ!」
「逆切れされても僕が困る。・・・今日、親分衆の寄合がある。それで妖怪の全てがわかるよ」
「・・・親分衆の?」
「リクオは妖怪の意味を知らない。人間をどれだけ苦しめてるのか」
「じゃあ、丕は人の苦しみを知ってるの?」
「・・・帰ろ」
そんなの記憶にない。でも・・・人間がどれだけ苦しんでいるのか知っている。でも、妖怪はみんな良い奴なんだ。でも悪い奴もいる。でもそれが妖怪の役目なんだ。
家に変えると、リクオは縁側で腕をブラブラしていた。僕は部屋に戻って、学校に着ていった洋服から、和服に着替えて奏の部屋に向かう。奏は元気にランドセルに教科書を詰めていた。
「あ、おかえり」
「・・・もう大丈夫なのか?」
「うん」
三日ぶりに見た、本当の笑顔。熱が下がらない間は、ずっと偽りの笑顔だった。