二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.7 )
日時: 2012/08/16 13:26
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

     第三輪 -僕等の血-


 久しぶりの、僕等だけの空間。僕等だけの世界。いつもはみんながいて、まともに奏だけと話すことなんて出来なかった。
 何事も話すことなく、首無が障子を片方だけ開けて、ぬらりひょんが総会で呼んでいると告げられた。総会はいつも来る人の行列を見ていただけで、参加するのは今回が初めてだ。それも、奏も一緒に。

「・・・丕と奏、只今参りました」

 中に入ると、全国の偉い妖怪達が集まっていた。僕等輪交組ようの席もあって、そこに座った。左右前・・・みんな僕等と違う、歴とした妖怪の姿。

「・・・実はの、さっきリクオが・・・」

 ぬらりひょんによると、さっきまで三代目を決める話だったらしい。ぬらりひょんはリクオを推薦したが、リクオは断って外に逃げたらしい。
 妖怪は「人間に畏れられる」ものとして存在しなければならない。リクオは人も妖の血もひいていて、どちらかというと人間の血の方が多い。だから人間を好むのも当たり前の事だ。

「・・・総大将。丕様をお呼びしたということは」
「・・・丕」
「なんでしょう」
「こんなに速く・・・話す日が来るとは思ってなかったのぅ」

 ぬらりひょんが眼を瞑って下をむく。話す日・・・。ぬらりひょんは何かを僕等に隠している。もしかしたら、僕等の世界について一番よく知っているのはぬらりひょんなのかもしれない。

「お前達は・・・「わしの子」じゃ」
「・・・は?」
「わしの・・・子・・・?」
「お前達はわしとわしの女の間で産まれた妖怪じゃ。お前達の母親は「輪交繋」お前達は「ぬらりひょん」であるわしと「輪交繋」という妖の間に産まれた。お前達は二つの妖の血を持って産まれた」

 待て待て。それじゃあ・・・僕等はぬらりひょんがお父さんという事になるのか。でも・・・僕等のお母さんは。輪交繋は・・・?

「今日は深く話さん。またいつか聞きにくるといい。・・・どうだ丕。三代目をついでみんか」
「断る」
「・・・ハジメ・・・?」
「僕が付いて行くのは・・・リクオだけ。リクオは必ず三代目をつぐ。アイツはそう言う奴だ」
「・・・まあ、考えておきなさい。時間はまだまだある」

 総会が終わって・・・解散するとき。ガゴゼの方からとてつもない殺気が感じられた。
 僕等はぬらりひょん。僕等は輪交繋。二つの名がある妖怪。・・・じゃあ、鯉伴さんは・・・僕等の兄弟?でも、きっと産まれてきた母親は違うんだろう。若菜さんは、僕が鯉伴さんの兄弟って気づいていたのかな。