二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

a title[皮膚と共に引き剥がす]〝倉間side〟 ( No.17 )
日時: 2012/08/20 12:34
名前: 蒼月律零瑠 (ID: DkN/A4kL)
参照: 花って英語に直すとカッコいいよね←

「———ッんぐぅ!」

神童の鉄拳を喰らってから30発目。いや、とっくに50位は越えてるな。
血液だらけの拳を握り締めもう一発俺の顔面に殴りつける。
俺を殴っても無駄なのにな。
そう嘲笑ってやれば神童の紅緋色の瞳が細くなり、俺の胸倉を荒々しく掴んだ。

「何時まで殴れば気が済むんだよ」
「…天馬を泣かせる奴は許さない。 俺は天馬を泣かせた御前に制裁を与えている。只それだけだ」

コイツ、もしかして天馬よりかなり異常なんじゃねぇのか?
比較すれば天馬は傷害行為が無いだけでまだ可愛い方だ。悶え暴れたりするけど。
だが、神童はどうだ?コイツは気に入らない奴に傷害を負わせる。ならいっそ精神病院にでも入院してて下さいと思わせられる厄介者だ。
見た目は健気な少年だけど、中身がコレだと何だか可哀想に思えてくるな。笑っちまうぜ。

「…だったらさぁ」
「?」
「だったら御前が天馬の傍に居てやりゃあ良いんじゃねぇのかよ?」
「なッ…!!?」
「天馬の事想ってるんならさぁ、最初から傍に居てやれよ。
見えねぇ場所でコソコソ天馬をつけ回しやがって、マジきめぇ。この根暗STK(ストーカー)野郎」
「…ッ!」

突然神童は俺の右手首を掴んだと思えばもう片方の手で小指の爪先を掴んだ。まさか、———

「オイ止めろッ!」
「言いたい事はそれだけか」

そう言って神童は俺の小指の爪を一気に剥がしやがった。

「ッ——————————————————————————————!!!!!!!!!!」

声にならない叫びが出たが此処は外の宿舎裏側なので皆には気付かれなかったが、数匹のカラスが一斉に飛び去った。
月光に反射する赤い紅い血液と地面に投げ捨てられた皮膚が若干張り付いた俺の爪は見るだけでも痛々しい。

「今回は小指だけにしてやるが次泣かせたら御前の手足の爪は無いと思え」

黒い笑みが腹立つ。
だったらコッチは御前の手足ごと切断してやる。いや、御前の醜悪な首も含めて。

「天馬の事、なぁーんにも分かってないなぁ神童は」
「何だと」
「俺は天馬の気持ちを理解してやれるし、宥めてやれる。 
そう、俺が天馬の良き理解者なんだよォ…!!!御前みたいな低能な御曹司と違ってなァ!!!!!」

あまりの苛々で思わずポロリと零した言葉だが本当の事。嘘ではない。
だが、この言葉で神童の顔が若干だが歪んできている。この表情に俺は清清しい優越感を味わえた。爪を剥したのは無駄な足掻きなんじゃないのか。
マジ最高。ざまぁみろよ神童。




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